JP2023051149A 审中 护士呼叫系统及状态判断系统
【技術分野】 【0001】 本発明は、ナースコールシステム、および状態判断システムに関する。 【背景技術】 【0002】 ベッド上の患者や被介護者が起き上がろうとしたり、ベッド上から離れる等の自発行動時に、ベッドからの転落や転倒などの危険性がある。 そのため、特許文献1では、ベッド上の患者をカメラにて撮像し、その撮像画像から患者が上半身を起こした状態や患者がベッド上から離れた状態を検出した場合に、廊下灯からナースコール親機に注意状態発生信号を出力し、ナースコール親機の表示部に患者映像を表示するシステムを開示している。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特開2014-090913号公報 【特許文献2】 特開2017-38777号公報 【非特許文献】 【0004】 【非特許文献1】 井上円·安井俊之·田口亮·梅崎太造:「患者みまもり機能の自働化に向けたベッド位置の検出」,電学論C, Vol.138, No.6, pp.670-677 (2018) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1においては、患者の起き上がり行動を検出して報知することが開示されているが、患者の起き上がりや離床以外にも転落や転倒につながる危険行為が存在するため、危険行為の予見性には改善の余地があった。 【0006】 そこで、本発明は、患者の起き上がり及び離床以外の危険行為を察知することで患者のベッドからの転落、転倒を確実に防止可能なナースコールシステムおよび状態判断システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するために、本発明のナースコールシステムは、 ベッドに設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有するナースコールシステムであって、 ベッド上の患者をベッド上方から撮像するカメラと、 前記カメラの撮像映像から、前記患者によるベッド柵の状態変化を検出して第一注意状態発生信号を出力する状態判断部と、 を備え、 前記ナースコール親機は、前記第一注意状態発生信号を受けて第一報知動作を実行する報知部を有する。 【0008】 上記構成によれば、患者の起き上がり及び離床以外の危険行為を察知するべく、例えば、ベッド柵の状態変化を検出してナースステーションに報知することで患者のベッドからの転落、転倒をより確実に防止できる。 【0009】 また、本発明のナースコールシステムにおいて、 前記ベッド柵の状態変化は、前記ベッド柵が前記ベッドから外れた状態、前記ベッド柵を患者が外そうとした状態のいずれか一方を含んでもよい。 【0010】 また、本発明のナースコールシステムにおいて、 前記ナースコール親機は、前記ベッド柵の位置を変更可能な設定部をさらに有してもよい。 【0011】 上記構成により、患者の属性やベッド形状等の各種状況に応じてベッド柵の位置を変更することで、誤動作を抑制できる。 【0012】 また、本発明のナースコールシステムは、 前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するために前記看護師が携行する携帯端末と、 前記第一注意状態発生信号を受けて、前記撮像映像を前記携帯端末に送信する通信制御手段と、 をさらに有してもよい。 【0013】 上記構成によれば、看護師がナースステーションに居なくても、患者の危険行為を看護師に通知できるため、看護師は適切な対応を採ることができる。 【0014】 また、本発明のナースコールシステムにおいて、 前記状態判断部は、前記撮像映像から、前記患者が上半身を起こした状態及び前記患者がベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断した場合には、第二注意状態発生信号を出力し、 前記報知部は、前記第二注意状態発生信号を受けて前記第一報知動作とは異なる第二報知動作を実行してもよい。 【0015】 上記構成によれば、ベッド柵を外す行為以外にも、患者が注意を要する行動をとった場合に、報知動作を実行することで、看護師へ患者の状況を適切に認識させることができ、看護業務に役立てることができる。 【0016】 また、本発明のナースコールシステムは、 前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するために前記看護師が携行する携帯端末と、 前記第一注意状態発生信号を受けて、前記撮像映像を前記携帯端末に送信する通信制御手段と、 をさらに有し、 前記通信制御手段は、前記第二注意状態発生信号を受けた場合には、前記撮像映像及び警告情報を前記携帯端末に送信してもよい。 【0017】 上記構成によれば、患者が離床などの注意を要する行動をとった場合に、看護師の携帯端末に患者映像とともに警告情報を報知することで、看護師の素早い対応につながる。 【0018】 また、上記目的を達成するために、本発明の状態判断システムは、 ベッド上の人物をベッド上方から撮像するカメラと、 前記カメラの撮像映像から、前記人物によるベッド柵の状態変化を検出して注意状態発生信号を出力する状態判断部と、 前記注意状態発生信号を受けて報知動作を実行する報知部と、 を備える。 【0019】 上記構成によれば、ベッド上の人物の起き上がり及び離床以外の危険行為を察知するべく、例えば、ベッド柵の状態変化を検出して報知することで、ベッドからの転落、転倒をより確実に防止できる。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、患者の起き上がり及び離床以外の危険行為を察知することで患者のベッドからの転落、転倒を確実に防止可能なナースコールシステムおよび状態判断システムを提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明に係るナースコールシステムの構成図である。 【図2】図1のナースコールシステムが備えるカメラの配置を示す概略図である。 【図3】図1のナースコールシステムが備えるカメラの機能ブロック図である。 【図4】図1のナースコールシステムが備えるナースコール親機の機能ブロック図である。 【図5】本実施形態におけるナースコールシステムの見守り動作を実行するためのフローチャートである。 【図6】カメラによって撮像された患者の撮像映像の一例を示す図である。 【図7】ナースコール親機の表示部に、カメラから送信された患者の映像が表示された状態を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0022】 以下、本発明に係るナースコールシステムについて図面を参照して説明する。 【0023】 図1は、本発明に係るナースコールシステム100の一例を示す構成図である。図1に示すように、ナースコールシステム100は、病室のベッド毎に設置されているナースコール子機1と、各病室の出入口に設置されている廊下灯2と、ナースステーションに設置されているナースコール親機3と、機器間の通信を制御する制御機4とを備えている。ナースコールシステム100は、さらに、ベッド毎に設置されているカメラ5と、看護師が携行する携帯端末6と、基地局8を介して携帯端末6の通信を管理する交換機7とを備えている。 【0024】 ナースコール子機1は、患者が看護師を呼び出して通話するための機器であり、呼出ボタン1aと、壁面に設置されたプレート子機1bとを有している。プレート子機1bは、呼出ボタン1aが接続される接続部と、看護師と通話するための通話部とを有している。 【0025】 廊下灯2は、患者からの呼出発生を報知するための機器であり、表示灯2aと、患者名表示部2bとを有している。 【0026】 ナースコール親機3は、患者からの呼び出しを受けて応答するための機器であり、通話部3a(報知部の一例)と、表示部3bと、ボード部3cとを有している。通話部3aは、患者と通話したり院内放送するためのハンドセットや報音部を有している。表示部3bには各種情報が表示される。表示部3bは、例えば7型の液晶モニタが使用され、通話部3aの近傍に配置されている。ボード部3cには個々の患者の患者情報Kが一覧表示される。 【0027】 カメラ5は、患者自身の映像および患者に関連する周辺映像を撮像する。 携帯端末6は、患者からの呼び出しに応答するための端末、例えばスマートフォン等である。携帯端末6は、表示部6aを有している。 【0028】 廊下灯2、ナースコール親機3、制御機4、カメラ5等は、それぞれHUB10を介してLAN接続されている。ナースコール子機1は、病室毎に伝送線L1を介して廊下灯2に接続されている。交換機7は、伝送線L2を介して制御機4に接続されている。 【0029】 図2は、カメラ5の配置を示す概略図である。図2に示すように、カメラ5は、ベッド9の上方に、詳しくはベッド9に伏した状態の患者Mの頭部の上方壁面に設置され、患者の頭部を中心に撮像するよう設置されている。 【0030】 図3は、カメラ5の機能ブロック図を示す。図3に示すように、カメラ5は、カメラ5を制御するカメラCPU21と、撮像映像を解析して患者の状態を判断する状態判断部22と、を備えている。カメラ5は、さらに、各種情報を記憶する記憶部23と、他のナースコール機器とHUB10を介してLAN接続するための通信インターフェース(通信IF)24と、撮像部25と、照明部26と、を備えている。 【0031】 状態判断部22は、撮像部25で撮像された撮像映像から、ベッドエリアを把握するとともに、ベッドに取り付けられているベッド柵の位置を検出する。ベッドエリアの把握手法としては、例えば特許文献2に開示されたベッドエリア把握手法を利用してもよく、非特許文献1の機械学習によるベッド位置の推定手法を用いてもよい。 【0032】 また、状態判断部22は、把握したベッドエリアおよび検出したベッド柵の位置に基づいて、複数の観点からベッド上における患者の状態変化や、ベッド柵の状態変化を検出する。患者の状態変化は、撮像映像に基づいて患者の形状を抽出することで、判断される。患者の形状を抽出するアルゴリズムとして、例えば公知の動体検出手法や、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)、或いはSURF(Speeded-Up Robust Features)による特徴量を使用した識別方法等を用いても良いし、Deep Learningを用いてもよい。状態判断部22は、カメラ5によって撮像された映像から、その映像に映る患者の人体骨格に関する情報を検出することで、患者の状態変化を判断してもよい。具体的には、状態判断部22は、撮像映像に基づいて、患者の骨格および関節を推定する。骨格および関節を推定する手法としては、例えば、既存の骨格トラッキング技術を利用できる。なお、状態判断部22は、対象人物の骨格および関節のうちの一方を骨格情報として推定するようにしてもよい。 【0033】 記憶部23は、患者の状態を判断するためのデータベースとしての学習データや設定値等を記憶する。 【0034】 撮像部25は、例えば、赤外線も透過するフィルタを設けたカメラモジュールで構成されている。照明部26は、例えば、赤外LED等の発光素子で構成されている。 【0035】 図4は、ナースコール親機3の主要部の機能ブロック図を示す。図4に示すように、ナースコール親機3は、通話部3a、表示部3bに加えて、ナースコール親機3全体を制御する親機CPU31と、映像処理部32と、表示部3bに組み付けられた操作部としてのタッチパネル33と、設定部34と、を備えている。ナースコール親機3は、さらに、情報記憶部35と、音声処理部37と、通知灯38(報知部の一例)と、通信インターフェース(通信IF)39と、を備えている。 【0036】 映像処理部32は、表示部3bに表示する画像或いは映像を処理する。具体的には、映像処理部32は、カメラ5で撮像されたベッド上の患者Mの映像を処理して表示部3bに表示する表示画像を生成する。 【0037】 タッチパネル33は、例えば表示部3bに組み付けられており、看護師等による操作を受け付け可能に構成されている。タッチパネル33は、例えば、状態判断部22が検出するベッド柵の位置を設定することが可能な設定部34、あるいは表示部3bに表示される患者画像の表示範囲を変更することが可能な設定部34として機能する。 【0038】 情報記憶部35には、ナースコール子機1とカメラ5との対応関係に関する情報、各種設定情報、さらには、患者映像等が記憶される。具体的には、情報記憶部35は、ナースコール子機1とベッド番号の対応テーブル、ナースコール子機1と患者の対応テーブル、担当看護師テーブル、患者氏名や性別等の患者情報、ナースコール子機1とカメラ5の対応テーブル、ベッド9に取り付けらえているベッド柵の位置、設定部34によって設定されたベッド柵の位置等を記憶している。 【0039】 音声処理部37は、通話部3aで報音する或いは通話部3aから入力される音声信号を処理する。通知灯38は、ボード部3cに設けられており、呼出元を発光して通知する。通信IF39は、他のナースコール機器とLAN接続するためのインターフェースである。 【0040】 次に、上記のように構成されたナースコールシステム100の動作について、図5を参照して詳細に説明する。なお、ナースコール子機1の呼出操作を受けて廊下灯2が報知動作し、ナースコール親機3或いは携帯端末6で応答する動作は従来と同様であるため説明を省略し、患者の撮像映像に基づいて患者の状態変化およびベッド柵の状態変化を判断し患者を見守る見守り動作を中心に説明する。図5は、本実施形態における見守り動作を実行するためのフローチャートである。なお、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。また、各装置が実行する処理は、矛盾の生じない範囲で、他の装置によって実行されてもよい。 【0041】 図5に示すように、まず、ナースコール親機3のタッチパネル33に対する所定の操作により、任意の患者に対する見守り動作の開始を設定する(ステップS10)。 ステップS10における見守り動作の設定を受けて、親機CPU31は、見守りを設定された患者に関連付けられているカメラ5を常時撮像状態とするとともに、状態判断部22を起動させる(ステップS11)。 【0042】 起動された状態判断部22は、撮像部25により撮像された映像に対し、記憶部23に記憶されている学習データに基づいて、ベッドエリアを把握するとともに、ベッドに取り付けられているベッド柵の位置を検出する(ステップS12)。 【0043】 図6は、カメラ5によって撮像された撮像映像の一例を示す。この映像は、ベッド9に伏せた状態の患者Mを撮像した撮像映像Cを示している。 【0044】 状態判断部22は、撮像映像Cに基づいて、ベッドエリアEを検出する。ベッドエリアEは、ベッド9の長辺(患者Mの頭部側および足側ではない両側辺)の輪郭線に沿って撮像映像Cの上下方向へ延びるように引いた2本のラインT1,T2と、ベッド9の短辺(患者Mの頭部側および足側の両側辺)の輪郭線に沿って撮像映像Cの左右方向へ延びるように引いた2本のラインT3,T4と、に基づいて規定される。この4本のラインT1~T4で囲まれる領域をベッドエリアEと設定する。ラインT1~T4の位置は、記憶部23に記憶される。状態判断部22は、見守り動作が開始されるたびにベッドエリアEの設定を行ってもよいし、記憶部23に記憶されているその患者Mに対応付けられたラインT1~T4の位置を用いて設定してもよい。さらに、ナースコール親機3のタッチパネル33に設けられる設定部34を介して、看護師による操作によって設定するようにしてもよい。 【0045】 状態判断部22は、撮像映像Cに基づいて、ベッド9に取り付けられているベッド柵Sの位置を検出する。本例では、ベッド柵Sがベッド9の左右の長辺に沿ってそれぞれ取り付けられている場合を挙げている。 【0046】 次に、状態判断部22は、カメラ5により撮像され、記憶部23が記憶している学習データに基づいて、患者Mの状態およびベッド柵Sの状態を判断する(ステップS13)。具体的には、状態判断部22は、患者Mがベッド9に伏した状態(即ち仰臥位状態や側臥位状態)、患者Mがベッド柵Sを外そうとした状態、患者Mが起き上がった状態、患者Mがベッド9から離れた状態(離床状態)のいずれかの状態であるかを判断する。また、状態判断部22は、ベッド柵Sがベッド9から取り外された状態であるかを判断する。 【0047】 患者Mがベッド9に伏した状態であるかは、例えば撮像映像内における患者の頭部の位置に基づいて判断される。状態判断部22は、例えば図6において、患者Mの頭部の位置を検出し、その頭部の位置が撮像映像Cにおける下側の所定領域内に存在している場合に、患者Mがベッド9に伏した状態であると判断する。また、患者Mが伏した状態である場合には、状態判断部22は、その患者が仰向けに横になっているか、脇を下にして横になっているか判断してもよい。状態判断部22は、例えば患者Mの頭部の向き、すなわち患者Mの顔(目,鼻、口等)の向きを検出し、その向きが天井を向いている場合には仰向けに横になっていると判断し、ベッド9の左右側部を向いている場合には脇を下にして横になっていると判断する。 【0048】 患者Mがベッド柵Sを外そうとした状態であるかは、例えば患者Mが脇を下にして横になった状態からベッド柵Sを掴んだ状態に変化したことに基づいて判断する。なお、このベッド柵Sを掴んだ動作の発生は、一定時間(例えば、5秒)その体勢が維持されたときに判断されることが好ましい。これにより、例えばベッド柵S付近にあるものを取る等の問題無い動作に対し、ベッド柵を外そうとした動作と判断するような誤動作を防止できる。 【0049】 患者Mが起き上がった状態であるかは、例えば患者Mがベッド9上に伏した状態から上半身を起こした状態に変化したことに基づいて判断する。状態判断部22は、患者Mを検出し、その患者Mの状態がベッド9上に伏した状態から上半身を起こした状態に変化した場合に、患者Mの起き上がり動作が発生したと判断する。なお、この起き上がり動作の発生は、一定時間(例えば、5秒)その起き上がった体勢が維持されたときに判断されることが好ましい。これにより、例えば寝返りを打つ動作を起き上がり動作と判断するような誤動作を防止できる。 【0050】 患者Mが離床状態であるかは、例えば患者Mが起き上がり動作をした後に、ベッドエリアEから外へ移動したことに基づいて判断する。状態判断部22は、患者Mの起き上がり動作を検出し、その起き上がり動作の後に、患者MがベッドエリアEの外へ移動した場合に、患者Mが離床したと判断する。すなわち、状態判断部22は、患者Mが撮像映像Cにおける左側のラインT1よりも左側、右側のラインT2よりも右側、下側のラインT3よりも下側、および上側のラインT4よりも上側に移動したら離床発生と判断する。 【0051】 ベッド柵Sが取り外された状態であるかは、ベッド柵Sの検出位置に基づいて判断する。状態判断部22は、ベッド9に取り付けられているベッド柵Sの位置を検出するとともに、一定期間(例えば5秒)ベッド柵Sが同じ位置に検出されなくなったか否かで、ベッド柵Sがベッド9から取り外された状態であるか否かを判断する。 【0052】 次に、状態判断部22は、見守り中の患者Mに二段階目の特定の状態変化が発生したか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、状態判断部22は、患者Mが上半身を起こした状態、あるいは患者Mがベッド上から離れた状態が発生した否かを判断する。 【0053】 ステップS14において、二段階目の特定の状態変化が発生したと判断しなかった場合には(ステップS14のNo)、状態判断部22は、見守り中の患者Mに一段階目の特定の状態変化が発生したか否かを判断する(ステップS15)。具体的には、状態判断部22は、ベッド柵Sがベッド9から取り外された状態、あるいはベッド柵Sを患者Mが外そうとした状態が発生したか否かを判断する。 【0054】 ステップS15において、一段階目の特定の状態変化が発生したと判断しなかった場合には(ステップS15のNo)、状態判断部22は、ステップS13に戻り各ステップの処理を繰り返す。 一方、ステップS15において、一段階目の特定の状態変化が発生したと判断した場合には(ステップS15のYes)、状態判断部22は、第一注意状態発生信号をナースコール親機3および制御機4に対して出力し、合わせてカメラ5の撮像映像(患者映像)をナースコール親機3に送信する(ステップS16)。 【0055】 次に、第一注意状態発生信号を受信したナースコール親機3は、通話部3aが備える報音部から警報音を報音する(ステップS17)。報音部から警報音を報音するとともに、通知灯38を発光させて注意状態の発生を報知してもよい。 【0056】 次に、ナースコール親機3の親機CPU31は、第一注意状態発生信号に含まれるカメラID情報を読み取り、情報記憶部35を参照して通知元の患者を特定し、特定した患者の患者情報を表示部3bに表示するとともに、送信された患者映像を表示部3bに表示する(ステップS18)。また、ナースコール親機3は、状態判断部22から送信された患者映像データを情報記憶部35に保存する。 【0057】 図7は、カメラ5から送信された患者の映像が表示部3bに表示された状態を示す図である。図7に示すように、表示部3bには、病室番号P1や患者氏名P2、さらには診療科目P3等の発生元情報が表示される発生元情報表示部D1、患者の映像が表示される映像表示部D2、さらにメッセージ表示部D3等の表示エリアが設けられている。メッセージ表示部D3には、例えば「第一段階の危険行動が発生しました」と表示され、注意状態発生により映像が表示されていることが報知される。また、表示部3bの画面の右側には自動で開始される録画映像の操作ボタンD4が配置されている。 【0058】 次に、第一注意状態発生信号を受信した制御機4は、第一注意状態発生信号に含まれるカメラID情報に基づいて、ナースコール親機3の情報記憶部35を参照し、関連付けられている看護師情報および携帯端末情報を入手する。制御機4は、関連付けられている携帯端末6、即ち担当看護師が携行する携帯端末6に対して、注意状態の発生を通知する通知信号と共に、病室番号等の発生元情報、およびカメラ5の撮像映像を、交換機7および基地局8を介して送信する(ステップS19)。 制御機4からの信号を受信した携帯端末6は、ナースコール親機3の表示と同様に、携帯端末6の表示部6aに発生元情報、患者映像、メッセージを表示する(図示せず)。 【0059】 一方、ステップS14において、二段階目の特定の状態変化が発生したと判断した場合には(ステップS14のYes)、状態判断部22は、第二注意状態発生信号をナースコール親機3および制御機4に対して出力し、合わせてカメラ5の撮像映像(患者映像)をナースコール親機3に送信する(ステップS20)。 【0060】 次に、第二注意状態発生信号を受信したナースコール親機3は、通話部3aの報音部から警報音を報音する(ステップS21)。警報音の報音とともに、通知灯38を発光させて注意状態の発生を報知してもよい。第二注意状態発生信号を受信した際に出力する警報音および通知灯38の発光色は、第一注意状態発生信号を受信したときの警報音および発光色と相違していてもよい。 【0061】 次に、ナースコール親機3の親機CPU31は、第二注意状態発生信号に含まれるカメラID情報を読み取り、情報記憶部35を参照して通知元の患者を特定し、特定した患者の患者情報を表示部3bに表示するとともに、送信された患者映像を表示部3bに表示する(ステップS22)。患者情報には、例えば病室番号や患者氏名、さらには診療科目等の発生元情報が含まれる。なお、第二注意状態発生信号を受信した場合にメッセージ表示部D3に表示するメッセージは、第一注意状態発生信号を受信したときに表示するメッセージと相違していてもよい。第二注意状態発生信号を受信した場合には、例えば「第二段階の危険行動が発生しました」と表示するようにしてもよい。また、ナースコール親機3は、カメラ5から送信された患者映像データを情報記憶部35に保存する。 【0062】 次に、第二注意状態発生信号を受信した制御機4は、第二注意状態発生信号に含まれるカメラID情報に基づいて、ナースコール親機3の情報記憶部35を参照し、関連付けられている看護師情報および携帯端末情報を入手する。制御機4は、関連付けられている携帯端末6、即ち担当看護師が携行する携帯端末6に対して、注意状態の発生を通知する通知信号と共に、病室番号等の発生元情報、看護師に注意を促す警告情報、およびカメラ5の撮像映像を送信する(ステップS23)。 制御機4からの信号を受信した携帯端末6は、ナースコール親機3の表示と同様に、携帯端末6の表示部6aに発生元情報、患者映像、警告情報、メッセージを表示する(図示せず)。 【0063】 なお、上記動作例では、一段階目の特定の状態変化として、ベッド柵Sがベッド9から外された状態とベッド柵Sを患者Mが外そうとした状態を挙げ、二段階目の特定の状態変化として、患者Mが上半身を起こした状態と患者Mがベッド上から離れた状態を挙げたが、これに限られない。例えば、ベッド柵Sがベッド9から外された状態を二段階目の特定の状態変化に含めるようにしてもよい。これにより、ベッド柵Sを患者Mが外そうとした状態の検出で第一注意状態発生信号を出力し、さらに状態変化が進んだベッド柵Sがベッド9から外された状態の検出で第二注意状態発生信号を出力して、患者Mの危険行為を看護師に通知できる。 【0064】 以上説明したように、本実施形態に係るナースコールシステム100は、ナースコール子機1と、廊下灯2と、ナースステーションに設置されたナースコール親機3と、ベッド上の患者をベッド上方から撮像するカメラ5と、を備えている。カメラ5は、撮像映像から患者Mによるベッド柵Sの状態変化を検出して、第一注意状態発生信号を出力する状態判断部22を有している。ナースコール親機3は、第一注意状態発生信号を受けて第一報知動作を実行する報知部(通話部3a)を有している。この構成によれば、患者Mの起き上がり及び離床以外の危険行為を察知するべく、例えば、ベッド柵Sの状態変化を検出してナースステーションに報知することで患者Mのベッド9からの転落、転倒をより確実に防止できる。 【0065】 また、本発明のナースコールシステム100において、ベッド柵Sの状態変化は、ベッド柵Sがベッド9から外れた状態、ベッド柵Sを患者Mが外そうとした状態のいずれか一方を含む。 【0066】 また、本発明のナースコールシステム100において、ナースコール親機3は、ベッド柵Sの検出位置を手動で変更可能な設定部34をさらに有している。この構成により、患者Mの属性やベッド形状等の各種状況に応じて検出範囲を変更することで、誤動作を抑制することができる。 【0067】 また、本発明のナースコールシステム100は、ナースコール子機1からの呼び出しに応答するために看護師が携行する携帯端末6と、第一注意状態発生信号を受けて、撮像映像を携帯端末6に送信する通信制御手段(制御機4)と、をさらに有している。この構成によれば、看護師がナースステーションに居なくても、患者の危険行為を看護師に通知できるため、看護師は適切な対応を採ることができる。 【0068】 また、本発明のナースコールシステム100において、状態判断部22は、撮像映像から、患者Mが上半身を起こした状態及び患者Mがベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断した場合には、第二注意状態発生信号を出力する。報知部は、第二注意状態発生信号を受けて第一報知動作とは異なる第二報知動作を実行する。この構成によれば、ベッド柵Sを外す行為以外にも、患者Mが注意を要する行動をとった場合に、報知動作を実行することで、看護師へ患者Mの状況を適切に認識させることができ、看護業務に役立てることができる。 【0069】 また、本発明のナースコールシステム100は、ナースコール子機1からの呼び出しに応答するために看護師が携行する携帯端末6と、第一注意状態発生信号を受けて、撮像映像を携帯端末6に送信する通信制御手段と、をさらに有し、通信制御手段は、第二注意状態発生信号を受けた場合には、撮像映像及び警告情報を携帯端末6に送信する。この構成によれば、患者Mが離床などのより注意を要する行動をとった場合に、看護師の携帯端末6に患者映像とともに警告情報を報知することで、看護師の素早い対応につながる。 【0070】 なお、上記実施形態では、カメラ5をベッドに伏した状態の患者の頭部上方に設置した場合を説明したが、カメラ5の搭載位置は、ベッドの上方であればよく、例えばベッド9に伏した患者Mの足もとの上方にカメラ5を設置してもよい。ベッド9の上方から撮像することで、ベッド周囲に人物が居てもベッド上の撮像映像は変化しないため、誤動作を防ぐことができる。 【0071】 また、表示部3bの映像表示部D2に表示される患者映像は、1つの映像に限定されるものではなく、注意状態発生信号が複数のカメラ5から重なって送信された場合は、対応する複数の映像を表示部3bに表示させてもよい。 【0072】 また、上記実施形態においては、状態判断部22をカメラ5に設けているが、この例に限られない。専用のサーバにてカメラ5の映像を常時受信できるよう構成し、そのサーバへ状態判断部22を設けてもよい。 【0073】 また、上記実施形態においては、ナースコールシステム100における患者Mの見守り動作について説明しているが、この例に限られない。例えば、本実施形態における見守り動作は、ベッド上の患者Mを撮像し、撮像映像から患者Mによるベッド柵Sの状態変化を検出して注意状態発生信号を出力し、所定の関係者へ通知する状態判断システムとして実現してもよい。この場合、状態判断システムは、カメラと、状態判断部および報知部を備えた制御装置(例えば、コンピュータなど)を組み合わせることで簡易に構成することができる。 【0074】 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。 【符号の説明】 【0075】 1:ナースコール子機、2:廊下灯、3:ナースコール親機、3a:通話部(報知部の一例)、3b:表示部、3c:ボード部、4:制御機(通信制御手段の一例)、5:カメラ、6:携帯端末、6a:表示部、7:交換機、8:基地局、9:ベッド、21:カメラCPU、22:状態判断部、23:記憶部、24,39:通信インターフェース(通信IF)、31:親機CPU、32:映像処理部、33:タッチパネル、34:設定部、35:情報記憶部、37:音声処理部、38:通知灯、100:ナースコールシステム、E:ベッドエリア
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