JP2023050350A 审中 产能估算系统、产能估算方法及产能估算程序
【技術分野】 【0001】 本発明は、生産ラインの生産能力を推定する生産能力推定システムおよび生産能力推定方法ならびに生産能力推定プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 部品実装装置などの生産装置で構成される生産ラインでは、基板に部品を実装した電子回路基板などの生産物が連続して生産される。このような生産ラインの生産能力を推定するためには、個々の生産装置の処理能力以外に、生産装置への部品などの部材の補給や生産装置のエラー対応などのオペレータ作業による生産装置の一時停止なども考慮する必要がある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のシステムは、生産能力を推定する生産ラインの構成、生産装置の情報、オペレータ作業の発生頻度などの予め記憶されている情報と、入力されたオペレータに関する情報、生産計画に基づいて、部品実装ラインの生産能力を推定することが開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特開2017-199742号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら特許文献1を含む従来技術では、生産能力を推定するためには予め生産ラインや生産装置、生産物に関する多くの詳細な情報を入力してシミュレーション環境を構築しておく必要あるため、次のような問題点があった。すなわち、シミュレーション環境が構築された生産ラインでは生産能力の推定が複数の条件で容易に実行できる一方、生産設備の追加や新規生産ラインの投資検討では、構成の異なる生産ライン毎に多くの詳細情報を入力してシミュレーション環境を構築する必要があり、入力の手間と時間がかかってしまうという問題点があり、設備投資検討などで使用するためには更なる改善の余地があった。 【0005】 そこで本発明は、構成の異なる生産ラインの生産能力を簡易に推定することができる生産能力推定システムおよび生産能力推定方法ならびに生産能力推定プログラムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の生産能力推定システムは、複数の生産装置で構成される生産ラインにより生産される生産物の生産能力を推定する生産能力推定システムであって、複数の前記生産装置の装置情報と稼働実績とを取得する取得部と、前記装置情報と前記稼働実績から、前記生産装置が有する設備要素に関する情報と、前記生産装置のスペックに関する情報と、前記生産ラインが前記生産物を生産するのに必要な時間に関する情報と、前記生産ラインに対してオペレータの作業を必要とする事象とその発生頻度に関する情報と、を含む前記生産ラインの仮想能力情報を生成する仮想能力生成部と、前記仮想能力情報に基づいて、前記生産ラインの仮想生産能力を推定する推定部と、前記仮想生産能力を表示する表示部と、を備える。 【0007】 本発明の生産能力推定方法は、複数の生産装置で構成される生産ラインにより生産される生産物の生産能力を推定する生産能力推定方法であって、複数の前記生産装置の装置情報と稼働実績とを取得し、前記装置情報と前記稼働実績から、前記生産装置が有する設備要素に関する情報と、前記生産装置のスペックに関する情報と、前記生産ラインが前記生産物を生産するのに必要な時間に関する情報と、前記生産ラインに対してオペレータの作業を必要とする事象とその発生頻度に関する情報と、と含む前記生産ラインの仮想能力情報を生成し、前記仮想能力情報に基づいて、前記生産ラインの仮想生産能力を推定し、前記仮想生産能力を表示部に表示することを含む。 【0008】 本発明の生産能力推定プログラムは、請求項9の生産能力推定方法をコンピュータに実行させる。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、構成の異なる生産ラインの生産能力を簡易に推定することができる。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本発明の一実施の形態の生産システムの構成説明図 【図2】本発明の一実施の形態の生産システムが備える生産ラインの構成説明図 【図3】本発明の一実施の形態の生産システムの構成を示すブロック図 【図4】本発明の一実施の形態の生産能力管理装置における仮想能力情報の生成の説明図 【図5】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたフロア設定画面の例を示す図 【図6】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたライン設定(メイン)画面の例を示す図 【図7】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたライン設定(設備追加)画面の例を示す図 【図8】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたライン設定(設備オプション設定)画面の例を示す図 【図9】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたシミュレーション設定(フロア設定)画面の例を示す図 【図10】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示されたシミュレーション設定(結果表示)画面の例を示す図 【図11】本発明の一実施の形態の生産ラインの生産能力推定方法のフロー図 【図12】本発明の一実施の形態の生産ラインの仮想能力情報生成方法のフロー図 【発明を実施するための形態】 【0011】 以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、画面表示等は説明のための例示であって、生産システム、生産ライン、生産装置、生産管理装置、生産能力管理装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1,2では、基板搬送方向(図1,2における左右方向)において、紙面の左側を上流、右側を下流とする。また、図1,2では、基板搬送方向に水平面内で直交する方向(図1,2における上下方向)において、紙面の下側をフロント、上側をリアとする。 【0012】 まず図1を参照して、生産システム1の構成を説明する。生産システム1は、顧客の工場内のフロアF1~F3と、フロアF1~F3(工場)から離れた場所に開設されおり、顧客の生産活動をサポートするサポートセンタSを含んで構成されている。各フロアF1~F3には、生産物として基板に部品を実装した電子回路基板を生産する生産ラインが設置されている。なお、フロアF1~F3は同じ工場内に設置される構成の他、複数の工場にそれぞれ設置される構成であってもよい。各フロアF1~F3は同様の構成をしており、以下、フロアF1について説明する。 【0013】 図1において、フロアF1には、3本の生産ラインL1~L3が設置されている。生産ラインL1~L3が備える生産装置は、LAN(Local Area Network)などの構内通信ネットワーク2に接続され、内部通信部4を介して生産管理装置3に接続されている。生産管理装置3は、生産ラインL1~L3が備える生産装置の稼働に必要なデータやパラメータを作成し、各生産装置に送信する機能を有している。また、各生産装置より各生産装置の稼動状況、作業履歴などのデータが、生産管理装置3に送信される。なお、フロアF1は、生産管理装置3の他に、生産ラインL1~L3毎に、電子回路基板の生産を管理するライン管理装置を備える構成であってもよい。 【0014】 各生産ラインL1~L3は、フロントおよびリアにそれぞれ電子回路基板を生産する機能を有する部品実装レーンL1F~L3Fおよび部品実装レーンL1R~L3Rを備えている。なお、フロアF1が備える生産ラインL1は3本である必要はなく、1本または2本でも4本以上でも良い。また、生産ラインL1~L3が備える部品実装レーンはフロントとリアに2本ある必要はなく、1本であってもよい。また、図1に示す例では、生産管理装置3は生産ラインL1~L3が設置されたフロアF1の内部に設置されているが、生産管理装置3はフロアF1の外部に設置してもよい。また、生産管理装置3は工場内のフロアF1~F3がそれぞれ備える構成の他、工場内に設置された1台の生産管理装置3が各フロアF1~F3の生産ラインL1~L3を管理する構成であってもよい。 【0015】 図1において、サポートセンタSには、生産能力管理装置7が設置されている。複数のフロアF1~F3の生産管理装置3は、外部通信部5を備えている。また、サポートセンタSの生産能力管理装置7は、外部通信部8を備えている。外部通信部5と外部通信部8は、インターネットや移動体通信回線などの構外通信ネットワーク6に接続されている。この構成により、生産管理装置3と生産能力管理装置7は、構外通信ネットワーク6を介して情報をやり取りすることができる。 【0016】 生産能力管理装置7は、各フロアF1~F3の生産管理装置3から生産装置の装置情報や実績情報などを取得してデータベースに格納する。また、生産能力管理装置7は、生産管理装置3からの要求に応じて、データベースに格納された情報などから生産ラインL1~L3の仮想能力情報を生成し、仮想生産能力を推定する機能を有している。 【0017】 次に図2を参照して、生産ラインL1~L3の詳細な構成を説明する。生産ラインL1~L3は同様の構成をしており、以下、生産ラインL1について説明する。生産ラインL1は、基板搬送方向の上流から下流に向けて、基板供給装置M1、基板振分け装置M2、はんだ印刷装置M3、印刷検査装置M4、基板振分け装置M5、部品実装装置M6~M9、基板振分け装置M10、実装検査装置M11、リフロー装置M12、基板振分け装置M13及び基板回収装置M14を直列に連結して構成されている。 【0018】 基板振分け装置M2、はんだ印刷装置M3、印刷検査装置M4、基板振分け装置M5、部品実装装置M6~M9、基板振分け装置M10、実装検査装置M11、リフロー装置M12、基板振分け装置M13は、構内通信ネットワーク2と内部通信部4を介して生産管理装置3に接続されている。基板供給装置M1はフロントとリアの2本のコンベア9a,9bを有し、コンベア9a,9bはそれぞれ供給された異なる基板種の基板10A、基板10Bを下流の基板振分け装置M2に受け渡す機能を有する。なお、基板10Aと基板10Bは、同じ基板種でもよい。 【0019】 図2において、基板振分け装置M2,M5,M10,M13は、基板振分け作業部である搬送コンベアおよび搬送コンベアをフロントとリアの間で移動させるコンベア移動機構を備え、上流の生産装置から受け取った基板10A,10Bを下流の生産装置に振り分けて受け渡す基板振分け作業を実行する生産装置である。基板振分け装置M2,M10は、上流に連結されたフロントとリアの2本のコンベアから基板10A,10Bを搬送コンベアに受け取り、基板10A,10Bを保持した状態で搬送コンベアを移動させ、下流に連結された1本のコンベアに順に受け渡す。下流に受け渡した基板10A,10Bの順番に関する情報は、内蔵する装置通信部より構内通信ネットワーク2と内部通信部4を介して生産管理装置3に送信される。 【0020】 基板振分け装置M5,M13は、上流に連結された1本のコンベアから基板10A,10Bを搬送コンベアに受け取り、基板10A,10Bを保持した状態で搬送コンベアを移動させ、下流に連結されたフロントとリアの2本のコンベアに振り分けて受け渡す。下流に受け渡す際、内蔵する管理通信部が受信した、構内通信ネットワーク2と内部通信部4を介して生産管理装置3より送信された基板10A,10Bの順番に関する情報に基づいて、上流から混合されて搬送される基板10Aと基板10Bは、フロントまたはリアの所定のコンベアに振り分けられる。なお、部品実装装置M6~M9がコンベアを1本有するシングルレーンタイプの場合、生産ラインL1は、基板振分け装置M2,M5,M10,M13を備える必要はない。 【0021】 図2において、はんだ印刷装置M3は、はんだ印刷作業部によって実装対象の基板10A,10Bにはんだを印刷するはんだ印刷作業を実行する生産装置である。はんだ印刷装置M3において、はんだ印刷作業を反復継続する間に収容するはんだが消費されて無くなると(はんだ切れが発生すると)、オペレータによってはんだの補給作業が実行される。また、生産する電子回路基板を切り替える段取り替え作業では、はんだ印刷装置M3において、オペレータによってはんだ印刷用のマスクの交換作業、はんだ印刷時に基板10A,10Bを下方から支持する下受けピンの配置変更作業などが実行される。印刷検査装置M4は、はんだ検査カメラを含む印刷検査作業部によって基板10A,10Bに印刷されたはんだの状態を検査する印刷検査作業を実行する生産装置である。 【0022】 図2において、部品実装装置M6~M9は、それぞれフロントとリアの2本のコンベア、2つの部品供給部、2つの搭載ヘッドを含む部品実装作業部によって基板10A、基板10Bに部品Dを搭載する部品実装作業を実行する生産装置である。なお、生産ラインL1は、部品実装装置M6~M9が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M6~M9が1台であっても5台以上であってもよい。部品実装装置M6~M9において、基板搬送方向に延伸する2本のコンベアはフロントとリアに並行して配置され、2つの部品供給部は並設された2本のコンベアの外側(フロントとリア)にそれぞれ配置されている。 【0023】 部品供給部は、部品Dを保持するキャリアテープをテープ送りして部品Dを供給する複数のテープフィーダ、複数の部品Dを保持するトレイを入れ替えながら部品Dを供給するトレイフィーダなどを備え、部品Dを搭載ヘッドによるピックアップ位置まで供給する。搭載ヘッドは部品Dを真空吸着する吸着ノズルを備え、部品供給部が供給する部品Dをピックアップし、コンベアが搬送して位置決め保持している基板10A,10Bに移送搭載する部品実装作業を実行する。部品供給部のテープフィーダとトレイには、生産する電子回路基板の基板種に応じて所定の部品Dが供給されるように、段取り替え時に所定の部品Dを保持するキャリアテープやトレイがセットされる(言い換えると、部品Dが配列される)。 【0024】 部品実装装置M6~M9は、生産データに基づいて、種々の実装モードにより部品実装作業を実行する。交互実装モードでは、基板10A,10Bに対して2つの搭載ヘッドが交互に部品を移送搭載する部品実装作業が実行される。独立実装モードでは、2本のコンベアがそれぞれ保持する基板10Aと基板10Bに対して、2つの搭載ヘッドがそれぞれ独立に部品を移送搭載する部品実装作業が実行される。連結された複数の部品実装装置M6~M9は、同じ実装モードで部品実装作業を実行する他、別個の実装モードで部品実装作業を実行することもできる。 【0025】 また、両レーン生産方式では、2本のコンベアがそれぞれ基板10A,10Bを搬送し、搭載ヘッドが部品を移送搭載する部品実装作業が実行される。片レーン生産方式では、2本のコンベアのうちの1本のみが基板10A,10Bを搬送し、搭載ヘッドが部品を移送搭載する部品実装作業が実行される。 【0026】 部品実装装置M6~M9において、部品実装作業を反復継続する間に部品供給部が保有する部品Dが消費されて所定の残数を下回ると(部品切れ警告が発生すると)、もしくは部品Dが無くなると(部品切れが発生すると)、オペレータによって部品Dの補給作業(キャリアテープの補給、トレイの交換など)が実行される。また、吸着ノズルが部品Dを正常に吸着していない吸着エラー、キャリアテープが絡まること(ジャミング)によるテープフィーダによる部品Dの供給停止エラーなど部品実装装置M6~M9が停止する装置エラーが発生すると、オペレータによって装置エラーからの復旧作業が実行される。 【0027】 また、生産する電子回路基板を切り替える段取り替え作業では、部品実装装置M6~M9において、オペレータによってテープフィーダの交換作業、トレイの交換作業、搭載ヘッドの交換作業、吸着ノズルの交換作業、部品実装時に基板10A,10Bを下方から支持する下受けピンの配置変更作業などが実行される。また、複数の吸着ノズルを保持し、部品実装作業中に搭載ヘッドに装着された吸着ノズルと自動で交換するノズルチェンジャ、吸着ノズルが保持した部品Dを基板10A,10Bに搭載する前に、部品Dの電極にペーストを転写するために使用される転写ユニット、吸着ノズルが保持した部品Dの電気特性を計測する電気特性計測装置などの設備オプションの交換作業が実行される。 【0028】 図2において、上述の作業を実行する際、オペレータは作業対象となる部品実装装置M6~M9の操作面(フロントまたはリア)に移動して作業を実行する。なお、装置エラーには、装置エラーが発生しているフロントまたはリアの部品実装作業のみが停止して、反対側では部品実装作業が停止されることなく継続される装置エラーや、部品実装装置M6~M9による復旧処理により自動で復旧する装置エラーもある。このように、部品実装装置M6~M9は、テープフィーダ、トレイフィーダ、搭載ヘッド、ノズルチェンジャ、転写ユニット、電気特性計測装置などの設備要素を有し、電子回路基板(生産物)を生産する部品実装作業を行う生産装置である。 【0029】 図2において、実装検査装置M11は、部品検査カメラを含む実装検査作業部によって基板10A,10Bに搭載された部品Dの状態を検査する実装検査作業を実行する生産装置である。リフロー装置M12は、装置内に搬入された基板10A,10Bを基板加熱部によって加熱して、基板10A,10B上のはんだを硬化させ、基板10A,10Bの電極部と部品Dとを接合する基板加熱作業を実行する生産装置である。基板回収装置M14はフロントとリアの2本のコンベア9c,9dを有し、コンベア9c,9dは上流の基板振分け装置M13よりそれぞれ基板10A、基板10Bを受け取って回収する機能を有する。 【0030】 このように生産ラインL1では、基板供給装置M1のフロントのコンベア9aに供給された基板10Aに部品Dが実装され、基板回収装置M14のフロントのコンベア9cより部品Dが実装された基板10Aが回収される。この経路がフロントの部品実装レーンL1Fとなる。同様に、生産ラインL1では、基板供給装置M1のリアのコンベア9bに供給された基板10Bに部品Dが実装され、基板回収装置M14のリアのコンベア9dより部品Dが実装された基板10Bが回収される。この経路がリアの部品実装レーンL1Rとなる。 【0031】 両レーン生産方式では、フロントの部品実装レーンL1Fとリアの部品実装レーンL1Rの両レーンで部品実装作業が実行される。また、片レーン生産方式では、フロントの部品実装レーンL1Fとリアの部品実装レーンL1Rのいずれか一方のレーンでのみ部品実装作業が実行される。以下、部品Dが実装された基板10Aおよび部品Dが実装された基板10Bを単に「電子回路基板B」と称する。 【0032】 次に図3を参照して、生産管理装置3と生産能力管理装置7を備える生産システム1(生産能力推定システム)の構成について説明する。ここでは、生産システム1が備える複数の機能のち、生産装置の稼働実績などに基づいて生産ラインL1~L3の仮想能力情報を生成し、仮想生産能力を推定する機能に関する構成を中心に説明する。 【0033】 本実施の形態の生産システム1は、構成の異なる生産ラインにより生産される電子回路基板B(生産物)の生産能力を簡易に推定する。そのため、生産システム1は、生産能力の推定に使用する生産装置や電子回路基板Bなどの詳細情報の入力は要求せず、生産ラインL1~L3の稼働実績などに基づいて生産能力の推定に必要な情報を生成する。また、生産能力の推定に使用する電子回路基板Bの構成情報も、稼働実績に基づいて生成する。さらに、生産システム1は、主に生産ラインL1~L3の生産能力に及ぼす影響が大きな部品実装装置M6~M9の生産能力に基づいて、構成の異なる生産ラインの生産能力を推定する。 【0034】 まず、生産管理装置3の構成について説明する。なお、フロアF1~F3に設置されている生産管理装置3は同様の構成をしており、ここでは、フロアF1を例に説明する。フロアF1に設置されている生産管理装置3には、内部通信部4、外部通信部5、入力部11、表示部12が接続されている。生産管理装置3は、生産管理記憶部13、実績収集部16、表示処理部17、制御部(図示せず)を備えている。生産管理記憶部13は、例えば、半導体メモリ又はハードディスクドライブである記憶装置であり、稼働実績14、表示情報15などを記憶している。 【0035】 図3において、入力部11は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部12は液晶パネルなどの表示装置であり、生産管理記憶部13が記憶する各種データを表示する他、入力部11による操作のための操作画面、入力画面などの各種情報を表示する。制御部は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、生産管理装置3全体を制御する。 【0036】 図3において、実績収集部16は、フロアF1に設置された生産ラインL1~L3の部品実装装置M6~M9(生産装置)から部品実装作業の実績を定期的に収集する。部品実装作業の実績には、生産開始日時、生産終了日時(生産装置が生産物を生産した時間)、生産枚数、作業ミスの回数、ミス率(頻度)、動作エラーの回数とその内容、フロアF1において作業を行ったオペレータの情報(作業時間、勤務時間、人数、担当内容など)などの情報が含まれる。 【0037】 また、実績収集部16は、部品実装装置M6~M9が有する設備要素の構成などの装置情報、電子回路基板B(生産物)を生産するために部品実装装置M6~M9(生産装置)を動作させるための生産データ、電子回路基板Bの種類とその生産順番、電子回路基板Bの構成に関する情報(基板サイズ、実装部品数など)、段取り替え時間なども併せて収集する。実績収集部16は、収集した部品実装装置M6~M9(複数の生産装置)の装置情報、稼働実績、生産データなどを、部品実装作業を行った生産ラインL1~L3、部品実装装置M6~M9を特定する情報と関連付けて稼働実績14として生産管理記憶部13に記憶する。 【0038】 図3において、サポートセンタSに設置されている生産能力管理装置7は、顧客の工場のフロアF1~F3に設置された生産管理装置3から取得した情報に基づいて生産ラインL1~L3の仮想能力情報を生成する機能、仮想能力情報に基づいて仮想生産能力を推定する機能などを有している。生産能力管理装置7には、外部通信部8、記憶装置20が接続されている。 【0039】 記憶装置20は、半導体メモリ又はハードディスクドライブであり、複数のフロアF1~F3に設置された生産管理装置3から取得した情報を格納するデータベース21を備えている。また、記憶装置20は、仮想能力情報22、標準能力情報23、仮想生産能力24などを記憶している。生産能力管理装置7は、取得部30、仮想能力生成部31、仮想能力設定部32、推定部33、表示情報生成部34、制御部(図示せず)などの情報処理装置を備えている。 【0040】 なお、各情報処理装置は、独立したハードウェア資産で構成しても、共通のCPUと各情報処理用のプログラムで構成してもよい。制御部は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、生産能力管理装置7全体を制御する。また、生産能力管理装置7は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置20、生産能力管理装置7を構成する情報処理装置の全てもしくは一部をサーバを介してクラウドに備えてもよい。 【0041】 図3において、取得部30は、外部通信部8を介して複数のフロアF1~F3の生産管理装置3から各フロアF1~F3に設置された生産ラインL1~L3の複数の部品実装装置M6~M9(生産装置)の装置情報、稼働実績、生産データ、オペレータ情報などを取得する。具体的には、取得部30は、フロアF1~F3に設置されている生産管理装置3の実績収集部16が収集していた稼働実績14から必要な情報を取得する。取得部30は、取得した情報をデータベース21に記憶させる。図4に示すデータベース21には、複数のフロアF1~F3の生産管理装置3から取得された情報がフロアF1~F3毎の稼働期間(月別)の情報として記憶されている。 【0042】 図3、図4において、仮想能力生成部31は、データベース21に記憶されている装置情報と稼働実績から、生産ラインL1~L3の仮想能力情報22を生成し、記憶装置20に記憶させる。図4の例では、仮想能力生成部31は、データベース21に格納されているフロアF1~F3毎の稼働期間(月別)に対応する単位で仮想能力情報22を生成する。具体的には、仮想能力生成部31は、データベース21に記憶されている装置情報から、部品実装装置M6~M9(生産装置)が有する設備要素(テープフィーダ、トレイフィーダ、搭載ヘッドなど)に関する情報と、部品実装装置M6~M9のスペック(機種、コンベア数、搭載ヘッド数など)に関する情報を生成する。 【0043】 また、仮想能力生成部31は、データベース21に記憶されている稼働実績から、生産ラインL1~L3が電子回路基板B(生産物)を生産するのに必要な時間(ラインタクト時間など)に関する情報(ラインタクト情報)と、生産ラインL1~L3に対してオペレータの作業を必要とする事象(部品Dの補給作業、装置エラーからの復旧作業など)とその発生頻度に関する情報(イベント情報)が生成される。また、仮想能力生成部31は、データベース21に記憶されている稼働実績から、生産された電子回路基板B(生産物)の種類、構成(基板10A,10Bのサイズ、実装部品数など)、生産順番など、生産物に関する情報が生成される。このように、記憶装置20は、仮想能力生成部31が生成した仮想能力情報22を稼働実績毎に格納する記憶部である。 【0044】 また、本実施の形態の生産能力管理装置7は、電子回路基板B(生産物)が生産される生産ラインL1~L3が備える複数の部品実装装置M6~M9(生産装置)の装置情報と稼働実績とを取得する取得部30と、装置情報と稼働実績から生産ラインL1~L3の仮想能力情報22を生成する仮想能力生成部31と、生成した仮想能力情報22を稼働実績毎に格納する記憶装置20(記憶部)を備えている。これによって、構成の異なる生産ラインL1~L3の生産能力の推定に使用する仮想能力情報22を簡易に生成することができる。 【0045】 図3、図4において、標準能力情報23には、生産ラインL1~L3に連結して使用することができる部品実装装置M6~M9のスペック(機種、コンベア数、搭載ヘッド数、CPHなど)のカタログ値を含む標準設備情報が記憶されている。また、標準能力情報23には、部品実装装置M6~M9で使用可能な設備要素(テープフィーダ、トレイフィーダ、搭載ヘッドなど)のスペックのカタログ値を含む標準設備要素情報が記憶されている。 【0046】 仮想能力設定部32は、フロアF1~F3の生産管理装置3から送信される命令と、生産ラインL1~L3の仮想能力情報22と標準能力情報23に基づいて、実績がある生産ラインL1~L3とは部品実装装置M6~M9や設備要素などが異なる仮想生産ラインA1,A2の仮想能力情報22を設定する。仮想能力設定部32は、設定した仮想生産ラインA1,A2の仮想能力情報22を記憶装置20に記憶させる。 【0047】 図3において、推定部33は、生産ラインL1~L3の仮想能力情報22に基づいて、生産ラインL1~L3の仮想生産能力24を推定する。また、推定部33は、仮想生産ラインA1,A2の仮想能力情報22に基づいて、仮想生産ラインA1,A2の仮想生産能力24を推定する。推定部33は、推定した仮想生産能力24を記憶装置20に記憶させる。表示情報生成部34は、フロアF1~F3の生産管理装置3から送信された命令に従って実行された処理の結果(例えば、仮想生産ラインA1,A2に関する情報、推定された仮想生産能力24)を生産管理装置3の表示部12に表示させるための表示情報15を生成し、命令の送信元である生産管理装置3に送信する。 【0048】 生産能力管理装置7から送信された表示情報15は、命令の送信元の生産管理装置3の生産管理記憶部13に記憶される。生産管理装置3が備える表示処理部17は、受信された表示情報15を表示部12に表示させる。例えば、表示部12は、生産能力管理装置7から送信された仮想生産能力24を表示する。また、表示処理部17は、生産能力管理装置7に送信する命令を作成するための各種画面を表示部12に表示し、入力部11による情報の入力、命令の入力を支援する。 【0049】 次に、図5~図10を参照して、表示処理部17が表示部12に表示させる生産ラインL1~L3の生産能力のシミュレーションを実行するための各種画面と、入力部11による情報の入力の例について説明する。後述する生産能力のシミュレーションは、工場やフロアF1~F3の管理者、経営者が、既存の生産ラインL1~L3の生産能力の増強のために新規の生産装置を追加したり、新規に生産ラインを増設する効果を簡易に推定する際に使用される。 【0050】 まず、図5を参照して、表示処理部17が表示部12に表示させたフロア設定画面40の例について説明する。フロア設定画面40は、仮想能力情報を生成する既存の生産ラインL1~F3を指定する際に使用される。この例では、既存の生産ラインL1~L3は、既存のフロアF1~F3毎に指定される。フロア設定画面40には、メニュー選択領域41、フロア指定領域42、フロア情報表示領域43が設けられている。 【0051】 メニュー選択領域41には、生産能力を推定する作業の順番に、フロア設定ボタン41a、ライン設定ボタン41b、SIM設定ボタン41cが並んで配置されている。管理者が入力部11を操作してフロア設定ボタン41aを押下すると、表示処理部17は表示部12をフロア設定画面40に切り替える。同様に、ライン設定ボタン41bが押下されると、表示処理部17は表示部12をライン設定(メイン)画面44(図6)に切り替える。また、SIM設定ボタン41cが押下されると、表示処理部17は表示部12をシミュレーション設定(フロア設定)画面59(図9)に切り替える。 【0052】 図5において、フロア指定領域42には、フロア追加ボタン42a、フロア情報設定枠42bが配置されている。フロア追加ボタン42aが押下されると、表示処理部17は表示部12をフロア追加画面(図示省略)に切り替える。フロア追加画面において追加するフロアF1~F3が指定されると、表示処理部17は、サポートセンタSの生産能力管理装置7に対して、「指定されたフロアの仮想能力を生成する」旨の指令を送信する。 【0053】 指令を受信した生産能力管理装置7では、取得部30が指定されたフロアに設置された生産管理装置3からフロアに設定された生産ラインが備える部品実装装置(生産装置)の装置情報と稼働実績14を取得する。次いで仮想能力生成部31が、取得された装置情報と稼働実績14から生産ラインの仮想能力情報22を生成する。次いで表示情報生成部34が、生成された仮想能力情報22から指令の送信元の生産管理装置3が表示部12に表示するための表示情報15を生成し、送信元の生産管理装置3に送信する。送信された表示情報15は、生産管理記憶部13に記憶される。 【0054】 図5において、フロア情報設定枠42bには、仮想能力情報22が追加されたフロアF1~F3のフロア名、ライン数などの生産能力管理装置7から送信された情報が表示される。この例では、ライン数が3本のフロアF1、ライン数が7本のフロアF2、ライン数が2本のフロアF3の仮想能力情報22が追加されている。フロア名に対応する削除ボタンが押下されると、そのフロアの仮想能力情報22がフロア設定から削除される。編集ボタンが押下されると、表示処理部17は表示部12をそのフロアの構成を変更するライン設定(メイン)画面44に切り替える。 【0055】 フロア情報表示領域43には、生産能力管理装置7から送信された情報を表示するフロア情報表示枠43aが配置されている。フロア情報表示枠43aには、フロア選択タブ43b、ライン構成表示欄43c、ライン選択ボタン43d,43eが設けられている。いずれかのフロア選択タブ43bが選択されると、ライン構成表示欄43cに表示されるフロアF1~F3が選択されたフロアの生産ラインに変更される。ライン選択ボタン43d,43eが押下されると、ライン構成表示欄43cに表示される生産ラインL1~L3が順番に変更される。 【0056】 図5において、この例では、ライン構成表示欄43cには、図2に示すフロアF1の生産ラインL1が備える部品実装装置M6~M9が連結されている順番に表示されている。部品実装装置M6と部品実装装置M7は機種が「D1」の部品実装装置であり、部品実装装置M8と部品実装装置M9は機種が「D2」の部品実装装置である。機種が「D1」の部品実装装置は、2本のコンベアと基板搬送方向に沿った2基の搭載ヘッドをフロントとリアにそれぞれを備えており、ステージ数が「2」、テーブル数が「4」である。機種が「D1」の部品実装装置は、2本のコンベアとフロントとリアに1基の搭載ヘッドをそれぞれ備えており、ステージ数が「1」、テーブル数が「2」である。 【0057】 ライン構成表示欄43cに表示された部品実装装置M6~M9には、フロントとリアのフィーダテーブルの構成を表示するテーブル構成表示43fと、フロントとリアに装着された搭載ヘッドの構成を表示する搭載ヘッド構成表示43gが表示されている。テーブル構成表示43fの「c17」は17本のテープフィーダを搭載可能な台車を、「c30」は30本のテープフィーダを搭載可能な台車を、「f13」は13本のテープフィーダを搭載可能な台車を、「t20」は20枚のトレイを搭載可能なトレイフィーダが配置されていることを示している。搭載ヘッド構成表示43gの「H16」は16本の吸着ノズルが装着される搭載ヘッドを、「H8」は8本の吸着ノズルが装着される搭載ヘッドを、「H3」は3本の吸着ノズルが装着される搭載ヘッドが装着されていることを示している。 【0058】 このように、仮想能力情報22には、複数の稼働実績14から設定された生産ライン(仮想生産ライン)を構成する部品実装装置(生産装置)の名称、部品実装装置が有する電子回路基板B(生産物)を生産するのに要する設備要素、および部品実装装置の情報が含まれている。 【0059】 図5において、ライン設定ボタン41bが押下されると、表示処理部17は表示部12にライン設定(メイン)画面44を表示させる。次に、図6を参照して、ライン設定(メイン)画面44の例について説明する。ライン設定(メイン)画面44は、生産能力を推定する生産ラインの構成を設定する際に使用される。図6では、フロアF1の既存の生産ラインL1~L3の情報が表示されている。ライン設定(メイン)画面44には、メニュー選択領域41、ライン指定領域45、ライン情報表示領域46が設けられている。 【0060】 図6において、ライン指定領域45には、ライン追加ボタン45a、ライン情報設定枠45bが配置されている。ライン追加ボタン45aが押下されると、表示処理部17は表示部12をライン設定(設備追加)画面47(図7)に切り替える。ライン情報設定枠45bには、仮想能力情報22に含まれるフロアF1の生産ラインL1~L3の実装装置数、ステージ数、レーン、実装モード、生産方式などの情報が表示される。例えば、生産ラインL1は、デュアルレーンの部品実装装置が4台連結され、ステージ数は「6」、実装モードは「交互実装モード」、生産方式は「両レーン生産」である。 【0061】 ライン情報設定枠45bにおいて、ライン名に対応する削除ボタンが押下されると、その生産ラインの仮想能力情報22が削除される。編集ボタンが押下されると、表示処理部17は表示部12をその生産ラインの構成を変更するライン設定(設備追加)画面47(図7)に切り替える。ライン情報表示領域46には、ライン情報表示枠46aが配置されている。ライン情報表示枠46aには、ライン選択タブ46b、ライン構成表示欄46cが設けられている。いずれかのライン選択タブ46bが選択されると、選択された生産ラインL1~L3の部品実装装置M6~M9の構成がライン構成表示欄46cに表示される。 【0062】 図6において、ライン追加ボタン45aが押下されると、表示処理部17は表示部12にライン設定(設備追加)画面47を表示させる。次に、図7を参照して、ライン設定(設備追加)画面47の例について説明する。ライン設定(設備追加)画面47は、既存の生産ラインに部品実装装置(生産設備)を追加する際、または、新規の生産ラインを追加する際に使用される。図7では、フロアF1に新規の生産ラインを追加する例を示している。 【0063】 表示処理部17は、表示部12をライン設定(設備追加)画面47に切り替える際に、サポートセンタSの生産能力管理装置7に対して、「標準能力情報を送信する」旨の指令を送信する。指令を受信した生産能力管理装置7では、表示情報生成部34が記憶装置20に記憶されている標準能力情報23に基づいて、送信元の生産管理装置3が表示部12に表示するための表示情報15(標準リスト)を生成して、送信元の生産管理装置3に送信する。送信された表示情報15は、生産管理記憶部13に記憶される。 【0064】 図7において、ライン設定(設備追加)画面47には、メニュー選択領域41、ステップ切替領域48、ライン設定領域49が設けられている。ステップ切替領域48には、ライン名入力欄48a、ステップ表示枠48b、前へボタン48c、後へボタン48dが配置されている。ライン名入力欄48aには、新規に作成する生産ラインのライン名(新ラインLX)が入力される。なお、既存の生産ラインL1~L3に生産設備(部品実装装置)を追加する場合は、ライン名入力欄48aには初期値として既存の生産ラインL1~L3のライン名が表示される。ステップ表示枠48bには、ライン設定作業がステップ順に表示されている。前へボタン48cと後へボタン48dが操作されると、前のステップまたは後のステップのライン設定画面に表示が切り替わる。 【0065】 ライン設定領域49には、ライン構成設定枠50、ライン構成情報表示枠51、生産設備選択枠52、生産設備情報表示枠53が配置されている。管理者は入力部11を操作して、生産設備選択枠52に表示されている部品実装装置(生産設備)のいずれかを選択し、ライン構成設定枠50の所定の位置に移動させる作業(ドラッグ·アンド·ドロップ)を繰り返すことにより、ライン構成設定枠50に生産ライン(新ラインLX)の構成を設定する。 【0066】 この作業により、管理者は生産能力を推定する新たな生産ライン(以下、「仮想生産ライン」と称する。)の構成を簡易に設定、変更することができる。ライン構成情報表示枠51には、ライン構成設定枠50に設定されている仮想生産ラインの構成情報(ステージの合計、搭載ヘッドの合計、テープフィーダの合計、CPHの合計など)が表示される。ライン構成設定枠50に部品実装装置を追加し、または削除することで仮想生産ラインの構成が変更されると、ライン構成情報表示枠51の仮想生産ラインの構成情報も連動して変更される。 【0067】 図7において、生産設備選択枠52には、リスト選択タブ52aが設けられている。いずれかのリスト選択タブ52aが選択されると、生産設備選択枠52に表示される部品実装装置(生産設備)のリストが変更される。「標準リスト」タブが選択されると、生産能力管理装置7から送信された標準能力情報23から作成された標準リストが表示される。「フロアF1」タブが選択されると、フロアF1の仮想能力情報22に含まれる使用実績がある部品実装装置(生産設備)のリストが表示される。「フロアF2」タブ、「フロアF3」タブも、同様である。 【0068】 生産設備選択枠52には、部品実装装置(生産設備)の情報として、機種、単位時間あたりに搭載可能な部品数であるChip Per Hour(CPH)のカタログ値が表示されている。CPHは、電子回路基板Bの実装部品数と生産時間(ラインタクト)などから算出される情報である。すなわち、CPHは、部品実装装置が電子回路基板Bを所定期間に生産する枚数に関する情報である。生産設備選択枠52に設けられているドリップダウンリスト52bから「表示/並び順」の条件を選択することで、表示される部品実装装置の順番が変更される。生産設備選択枠52に設けられている送りボタン52c,52dが押下されると、表示される部品実装装置が順に変更される。生産設備情報表示枠53には、生産設備選択枠52において選択されている部品実装装置(ここでは、機種D1)の詳細情報が表示される。 【0069】 図7において、新規に仮想生産ラインを設定する場合は、ライン構成設定枠50の初期表示は「空欄」である。また、既存の生産ラインL1~L3に部品実装装置を追加するなど変更する場合は、ライン構成設定枠50には、初期的に既存の生産ラインL1~L3の構成が表示される。次へボタン48dが押下されると、表示処理部17は表示部12にライン設定(設備オプション)画面54(図8)を表示させる。 【0070】 次に、図8を参照して、ライン設定(設備オプション)画面54の例について説明する。ライン設定(設備オプション)画面54は、仮想生産ラインを構成する部品実装装置(生産設備)の設備要素(設備オプション)を設定、変更する際に使用される。図8は、新規の仮想生産ライン(新ラインLX)の設備オプションを設定する例を示している。標準リストの部品実装装置には、初期値として所定の標準的な設備要素が設定されている。また、仮想能力情報22に含まれる部品実装装置には、初期値として生産時の設備要素が設定されている。ライン設定(設備オプション)画面54には、メニュー選択領域41、ステップ切替領域48、ライン構成表示領域55、設備オプション設定領域56が設けられている。 【0071】 ライン構成表示領域55には、ライン構成表示枠57が配置されている。ライン構成表示枠57には、仮想生産ラインを構成する部品実装装置(生産設備)が連結順に表示されている。設備オプション設定領域56には、設備オプション設定枠58が配置されている。設備オプション設定枠58には、仮想生産ラインを構成する部品実装装置のテーブル(TBL)毎に設備オプション(設備要素)を選択して設定するドラックボタンが配置されている。選択可能な設備オプションには、搭載ヘッド(ヘッド)の種類、ノズルチェンジャ(チェンジャ)の使用(種類)または不使用、フィーダテーブルに装着する台車またはトレイフィーダの種類、転写ユニットの使用または不使用、電気特性計測装置の使用または不使用などがある。 【0072】 図8において、メニュー選択領域41のSIM設定ボタン41cが押下されると、表示処理部17は表示部12をシミュレーション設定(フロア設定)画面59(図9)に切り替える。表示処理部17は、表示部12をシミュレーション設定(フロア設定)画面59(図9)に切り替える際に、サポートセンタSの生産能力管理装置7に対して、ライン設定(設備追加)画面47とライン設定(設備オプション)画面54で設定された仮想生産ラインの情報を送信する。 【0073】 指令を受信した生産能力管理装置7では、仮想能力設定部32が受信された仮想生産ラインの情報、記憶装置20に記憶されている既存の生産ラインL1~L3の仮想能力情報22、標準能力情報23に基づいて、仮想生産ラインの仮想能力情報22を設定する。このように、生産管理装置3の入力部11(入出力端末装置)から、生産装置(部品実装装置)の数、生産装置が有する生産物(電子回路基板B)を生産するのに要する設備要素が入力される。仮想能力設定部32は、入力部11により入力された情報に基づいて、仮想生産ラインの仮想能力情報22を設定する。また、仮想能力設定部32は、複数の生産ラインL1~L3の仮想能力情報22に基づいて、仮想生産ラインの仮想能力情報22を設定する。 【0074】 次に、図9を参照して、シミュレーション設定(フロア設定)画面59の例について説明する。シミュレーション設定(フロア設定)画面59は、仮想生産ラインを含むフロアの生産能力を推定するシミュレーション条件を設定する際に使用される。シミュレーション設定(フロア設定)画面59には、メニュー選択領域41、ステップ切替領域60、既存フロア選択領域61、新フロア設定領域62が設けられている。 【0075】 ステップ切替領域60には、シミュレーション名入力欄60a、ステップ表示枠60b、前へボタン60c、後へボタン60dが配置されている。シミュレーション名入力欄60aには、新規に作成するシミュレーション設定のシミュレーション名(新規シミュレーション(1))が入力される。ステップ表示枠48bには、シミュレーション設定作業がステップ順に表示されている。前へボタン60cと後へボタン60dが操作されると、前のステップまたは後のステップのライン設定画面に表示が切り替わる。 【0076】 図9において、既存フロア選択領域61には、既存フロア選択枠63、既存フロア情報表示枠64が配置されている。既存フロア選択枠63では、ドロップダウンリストにより仮想生産ラインの生産能力を推定する際の比較元になる既存の生産ラインを備えるフロアF1~F3が選択される。この例では、フロアF1が選択されている。既存フロア情報表示枠64には、選択されたフロアF1が備える生産ラインL1~L3の構成情報が表示される。生産ラインL1~L3の構成情報としては、ライン名、CPH、部品実装装置の合計数(装置)、ステージの合計数(ステージ)、搬送コンベアがデュアルかシングルか(レーン)、実装モードが交互実装モードか独立実装モードか(実装)、生産方式が両レーンか片レーンか(生産)などが表示される。 【0077】 図9において、新フロア設定領域62には、新規ライン追加ボタン65、新フロア情報表示枠66が配置されている。新フロア情報表示枠66には、生産能力を推定する仮想生産ラインを含む新フロアの構成が表示されている。生産ラインの構成情報は、既存フロア情報表示枠64と同様である。新フロア情報表示枠66に配置されている削除ボタンを押下すると、対応する生産ラインが新フロアの構成から削除される。 【0078】 新規ライン追加ボタン65を押下すると、新フロアに追加する仮想生産ラインや既存の生産ラインL1~L3を選択するための画面が表示される(図示省略)。生産ラインが追加されると、追加された生産ラインの構成情報が新フロア情報表示枠66に表示される。この例では、新フロアには、既存の生産ラインL1(ラインL1)、既存の生産ラインL2に部品実装装置(D3)を1台追加した仮想生産ライン(ラインL2+D3)、既存の生産ラインL3(ラインL3)、仮想生産ライン(新ラインLX)が設定されている。 【0079】 図9において、次へボタン60dが押下されると、表示処理部17は表示部12にシミュレーション設定(生産実績選択)画面(図示省略)を表示させる。シミュレーション設定(生産実績選択)画面では、生産能力を推定する際の条件として、新フロアで生産される電子回路基板B(生産物)が設定される。この電子回路基板Bは、仮想能力情報22に含まれる生産実績がある電子回路基板Bの中から選択される。その際、電子回路基板B(生産物)の種類の生産順番も設定される。このように、生産実績がある電子回路基板Bの中から選択することで、生産能力を推定するために電子回路基板Bの構成情報の詳細を設定する手間を削減することができる。 【0080】 シミュレーション設定(生産実績選択)画面において次へボタン60dが押下されると、表示処理部17は表示部12にシミュレーション設定(条件設定)画面(図示省略)を表示させる。シミュレーション設定(条件設定)画面では、生産される電子回路基板B(生産物)の枚数、生産時刻、各生産ラインの実装モード、生産方法、新フロアを担当するオペレータの人数などが設定される。オペレータの人数はフロア単位で指定され、シミュレーションの際に推定部33が各生産ラインにオペレータを所定の手順で配分する。例えば、推定部33は、オペレータの人数を生産ライン数で単純に割り算したり、各生産ラインが備える生産装置の数で加重したりして配分する。 【0081】 シミュレーション設定(条件設定)画面において次へボタン60dが押下されると、表示処理部17は表示部12にシミュレーション設定(実行)画面(図示省略)を表示させる。シミュレーション設定(実行)画面には、生産能力を指定するシミュレーションを開始する開始ボタンが配置されている。開始ボタンが押下されると、表示処理部17は、新フロアの構成情報、シミュレーション条件情報などをサポートセンタSの生産能力管理装置7に送信する。 【0082】 情報を受信した生産能力管理装置7では、推定部33が受信した情報、記憶装置20に記憶されている仮想生産ラインと既存の生産ラインL1~L3の仮想能力情報22に基づいて、新フロアに含まれる仮想生産ラインと既存の生産ラインL1~L3の仮想生産能力24を推定する。仮想生産能力24の推定が完了すると、表示情報生成部34は、送信元の生産管理装置3が表示部12に表示するための表示情報15(シミュレーション結果)を生成して、送信元の生産管理装置3に送信する。表示情報15が受信されると、表示処理部17は表示部12にシミュレーション設定(表示)画面67(図10)を表示させる。 【0083】 次に、図10を参照して、シミュレーション設定(表示)画面67の例について説明する。シミュレーション設定(表示)画面67には、メニュー選択領域41、ステップ切替領域60、シミュレーション結果表示領域68が設けられている。シミュレーション結果表示領域68には、シミュレーション結果表示枠69、ライン別表示ボタン70が配置されている。シミュレーション結果表示枠69には、現フロアF1の実績に基づく仮想生産能力24の推定結果(#1)、現フロアF1の構成で生産時刻を新フロアの条件に合わせた比較元となる仮想生産能力24の推定結果(#2)、比較対象となる新フロアの仮想生産能力24の推定結果(#3)と、比較元と比較対象の比較結果が表示されている。 【0084】 図10に示すシミュレーション結果表示枠69では、生産ラインの推定結果がフロア単位で合算した形で表示されている。すなわち、表示部12は、複数の生産ラインを備えるフロア単位で仮想生産能力24を表示する。ライン別表示ボタン70が押下されると、シミュレーション結果表示枠69には、合算前の生産ライン毎の推定結果が表示される。シミュレーション結果表示枠69の表示情報において、「カタログCPH」は、補給作業や復旧作業などによる生産停止がない理想条件におけるCPHの値である。「フロア開終時間」は、フロアにおける生産開始から生産終了までの時間である。「ライン開終時間」は、各生産ラインの生産開始から生産終了までの時間の合算値である。「ライン稼働率」は、各生産ラインが停止せずに稼働している時間の割合である。なお、ライン別表示ボタン70を有さずにひとつの表示画面に表示させてもよい。 【0085】 「フロアCPH」は、電子回路基板Bの構成、補給作業や復旧作業などによる生産停止を考慮したCPHの値である。「面積生産性」は、単位フロア面積当たりのフロアCPHである。「段取り部品数」は、段取り替えが必要な部品数である。「段取り台車数」は、段取り替えが必要な台車数である。シミュレーション結果表示枠69には、その他、生産に必要な台車数(リソース台車数)、フロアに必要なオペレータ数、オペレータ作業の合計時間などが表示される。 【0086】 このように、表示部12は、仮想生産ラインの構成(図7、図8)、仮想生産ラインの仮想能力情報22(図7)、仮想生産ラインの仮想西安能力24(図10)などの仮想生産ラインに関する情報を表示する。また、生産能力管理装置7は、生産装置(部品実装装置)の装置情報と稼働実績14を取得する取得部30と、装置情報と稼働実績14から生産ラインL1~L3の仮想能力情報22を生成する仮想能力生成部31と、仮想能力情報22を稼働実績毎に格納する記憶部(記憶装置20)を備えている。これによって、構成の異なる生産ラインL1~L3の生産能力の推定に使用する情報(仮想能力情報22)を簡易に生成することができる。 【0087】 次に、図11、図12のフローに沿って、複数の部品実装装置(生産装置)で構成される生産ラインL1~L3により生産される電子回路基板B(生産物)の生産能力を推定する生産能力推定方法(生産能力推定プログラム)について説明する。まず、生産ラインの仮想能力情報22が生成される(ST1:仮想能力情報生成工程)。 【0088】 図12において、仮想能力情報生成工程(ST1)では、取得部30は、既存の生産ラインL1~L3を構成する複数の部品実装装置M6~M9(生産装置)の装置情報と稼働実績14とを取得する(ST11:取得工程)。次いで仮想能力生成部31は、装置情報と稼働実績14から、部品実装装置M6~M9が有する設備要素に関する情報と、部品実装装置M6~M9のスペックに関する情報と、生産ラインL1~L3が電子回路基板B(生産物)を生産するのに必要な時間に関する情報と、生産ラインL1~L3に対してオペレータの作業を必要とする事象とその発生頻度に関する情報と、と含む生産ラインL1~L3の仮想能力情報22を生成する(ST12:仮想能力情報生成工程)。 【0089】 次いで仮想能力生成部31は、生成した仮想能力情報22を稼働実績毎に記憶装置20(記憶部)に格納する(ST13:記憶工程)。次いで全ての生産ラインL1~L3の仮想能力情報22が生成されるまで(ST14においてNo)、取得工程(ST11)、仮想能力情報生成工程(ST12)、記憶工程(ST13)が繰り返し実行される。このように、取得工程(ST11)、仮想能力情報生成工程(ST12)、記憶工程(ST13)は、生産能力管理装置7による生産能力管理方法(生産能力管理プログラム)である。生産能力管理方法により、構成の異なる生産ラインL1~L3の生産能力の推定に使用する情報(仮想能力情報22)を簡易に生成することができる。 【0090】 図11において、生産ラインL1~L3の仮想能力情報22が生成されると(ST14においてYes)、表示処理部17は入力部11より仮想生産ラインを構成する部品実装装置(生産装置)の数、部品実装装置の設備要素などの情報と、仮想生産ラインで生産される電子回路基板B(生産物)の情報の入力を受け付ける(ST2:情報入力工程)(図7~図9)。次いで仮想能力設定部32は、情報入力工程(ST2)において入力された情報に基づいて、仮想生産ラインの仮想能力情報22を設定する(ST3:仮想生産ライン設定工程)。 【0091】 次いで推定部33は、仮想生産ラインの仮想能力情報22に基づいて仮想生産ラインの仮想生産能力24を推定し、既存の生産ラインL1~L3の仮想能力情報22に基づいて生産ラインL1~L3の仮想生産能力24を推定する(ST4:仮想生産能力推定工程)。次いで表示処理部17は、推定された仮想生産ラインと既存の生産ラインL1~L3の仮想生産能力24を表示部12に表示させる(ST5:仮想生産能力表示工程)(図10)。 【0092】 仮想生産ラインの構成やシミュレーション条件を変更する場合(ST6においてYes)、情報入力工程(ST2)、仮想生産ライン設定工程(ST3)、仮想生産能力推定工程(ST4)、仮想生産能力表示工程(ST5)が繰り返し実行される。これによって、構成の異なる生産ライン(仮想生産ライン)の生産能力を簡易に推定することができる。 【0093】 上記説明したように、本実施の形態の生産システム1は、複数の生産装置(部品実装装置)の装置情報と稼働実績14とを取得する取得部30と、装置情報と稼働実績から、生産装置が有する設備要素に関する情報と、生産装置のスペックに関する情報と、生産ラインL1~L3が生産物(電子回路基板B)を生産するのに必要な時間に関する情報と、生産ラインL1~L3に対してオペレータの作業を必要とする事象とその発生頻度に関する情報と、を含む生産ラインL1~L3の仮想能力情報22を生成する仮想能力生成部31と、仮想能力情報22に基づいて、生産ラインL1~L3の仮想生産能力24を推定する推定部33と、仮想生産能力24を表示する表示部12と、を備え、生産ラインL1~L3により生産される生産物の生産能力を推定する生産能力推定システムである。 【0094】 これによって、構成の異なる生産ライン(仮想生産ライン)の生産能力を簡易に推定することができる。 【0095】 なお、上記の生産システム1(生産能力推定システム)の実施例では、サポートセンタS(生産能力管理装置7)はフロアF1~F3を備えた工場内の外部に設置されているが、サポートセンタS(生産能力管理装置7)は工場内に設置されていてもよい。 【0096】 また上記では、生産システム1として基板10A,10Bに部品Dを実装して電子回路基板Bを生産する生産ラインL1~L3を備える例で説明したが、生産システム1が備える生産ラインL1~L3はこれに限定されることはない。例えば、生産ラインは半導体を製造する半導体製造ラインであっても、電気機械器具、一般機械器具等のワーク(生産物)を組立てる組立て生産ラインであっても、食品加工製品を生産する食品加工ラインであってもよい。 【産業上の利用可能性】 【0097】 本発明の生産能力推定システムおよび生産能力推定方法ならびに生産能力推定プログラムは、構成の異なる生産ラインの生産能力を簡易に推定することができるという効果を有し、部品を基板に実装する部品実装分野において有用である。 【符号の説明】 【0098】 1 生産システム(生産能力推定システム) B 電子回路基板(生産物) F1~F3 フロア L1~L3 生産ライン M6~M9 部品実装装置(生産装置)
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