JP2023053833A 审中 电机控制器
【技術分野】 【0001】 本発明は、電動機の動作を制御する電動機制御装置に関する。 【背景技術】 【0002】 電動機制御装置として、電動機に取り付けられたレゾルバなどの位置検出部から出力される、互いに位相が異なる2相の交流電圧に基づいて電動機の回転軸の回転角を算出し、その算出した回転角を用いて電動機の動作を制御するものがある。 【0003】 しかしながら、位置検出部を電動機に取り付ける際、位置検出部が電動機の予め決められた位置に取り付けられていないと、2相の交流電圧により算出される回転角の原点位置が回転軸の原点位置からずれて回転角の算出精度が低下することで電動機の効率が低下したり電動機の動作が不安定になったりするおそれがある。 【0004】 そこで、他の電動機制御装置として、回転軸が所定位置で固定されるように電動機の動作を制御しているときに位置検出部から出力される2相の交流電圧により算出される回転角を、2相の交流電圧により算出される回転角の原点位置(ゼロ度)とすることにより、原点位置の補正(キャリブレーション)を行うものがある。関連する技術として、特許文献1がある。 【0005】 ところで、位置検出部に設けられる複数のコイルにより2相の交流電圧が得られる場合、各コイルの特性のばらつきなどにより、位置検出部から出力される2相の交流電圧のうちの少なくとも一方の交流電圧の振幅の中央値が、実験やシミュレーションなどにより予め求められている交流電圧の振幅の中央値と異なるおそれがある。 【0006】 そのため、上記他の電動機制御装置では、予め求められている2相の交流電圧と回転軸の回転角との対応関係を用いて回転軸の回転角を算出する場合、位置検出部から出力される2相の交流電圧のうちの少なくとも一方の交流電圧の振幅の中央値が予め求められている交流電圧の振幅の中央値と異なっていると、回転角の算出精度が低下し原点位置の算出精度が低下するおそれがある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 【特許文献1】 特開2006-81253号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明の一側面に係る目的は、電動機の回転軸の原点位置の補正精度の向上を図ることである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明に係る一つの形態である電動機制御装置は、電動機の回転軸の回転角に対応する、互いに位相が異なる2相の交流電圧を出力する位置検出部と、前記2相の交流電圧により算出される前記回転角の原点位置を補正した後、補正後の前記原点位置をゼロ度として前記2相の交流電圧により算出される回転角を用いて前記電動機の動作を制御する制御部とを備える。 【0010】 前記制御部は、前記原点位置の補正時、前記2相の交流電圧のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、補正前の前記原点位置から所定回転角までの前記2相の交流電圧に基づいて前記2相の交流電圧のそれぞれの振幅のオフセット値を算出し、前記回転軸が所定位置で固定されるように前記電動機の動作を制御しているときに前記各オフセット値により振幅がオフセットされた前記2相の交流電圧により算出される回転角を前記補正後の原点位置とする。 【0011】 これにより、振幅をオフセットしていない2相の交流電圧を用いて原点位置を補正する場合に比べて、原点位置の補正精度を向上させることができる。 【0012】 また、前記制御部は、前記原点位置の補正時、前記回転軸が前記所定位置で固定されるように前記電動機の動作を制御しているときに前記2相の交流電圧により算出される回転角を前記回転軸の仮原点位置とし、前記2相の交流電圧のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、前記仮原点位置から前記所定回転角までの前記2相の交流電圧に基づいて前記2相の交流電圧のそれぞれの振幅のオフセット値を算出し、前記回転軸が前記所定位置で固定されるように前記電動機の動作を制御しているときに前記各オフセット値により振幅がオフセットされた前記2相の交流電圧により算出される回転角を前記補正後の原点位置とするように構成してもよい。 【0013】 これにより、オフセット値を算出する前において、原点位置を補正することができるため、2相の交流電圧のそれぞれの振幅のオフセット値を精度よく算出することができ、原点位置の補正精度をさらに向上させることができる。 【0014】 また、前記電動機を、燃料電池に酸化剤ガスを供給するエアコンプレッサに備えられるモータとし、前記制御部は、前記燃料電池システムの起動時、前記原点位置の補正を行うように構成してもよい。 【0015】 これにより、燃料電池の発電時より前の燃料電池システムの起動時において、原点位置の補正を行うことができるため、燃料電池の発電時における原点位置の補正精度の低下を抑制することができる。 【0016】 また、前記制御部は、前記燃料電池システムの起動時、前記酸化剤ガスにより前記燃料電池内のアノード側からカソード側にリークした燃料ガスを希釈するために必要な時間が、前記原点位置の補正に必要な時間より短い場合、前記原点位置の補正に必要な時間において、前記燃料ガスの希釈と前記原点位置の補正を同時に行い、前記燃料ガスを希釈するために必要な時間が、前記原点位置の補正に必要な時間より長い場合、前記燃料ガスを希釈するために必要な時間において、前記燃料ガスの希釈と前記原点位置の補正を同時に行うように構成してもよい。 【0017】 これにより、燃料電池システムの起動時において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを同時に行うことができるため、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを順番に行う場合に比べて、燃料電池システムの起動にかかる時間を短縮することができる。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、電動機の回転軸の原点位置の補正精度の向上を図る。 【図面の簡単な説明】 【0019】 【図1】実施形態の電動機制御装置を含む燃料電池システムの一例を示す図である。 【図2】原点位置の補正時の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 【図3】2相の交流電圧の一例を示す図である。 【図4】原点位置の補正時の制御部の動作の他の例を示すフローチャートである。 【図5】燃料電池システム起動時の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 【発明を実施するための形態】 【0020】 以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。 【0021】 図1は、実施形態の電動機制御装置を含む燃料電池システムの一例を示す図である。 【0022】 図1に示す燃料電池システムFCSは、燃料電池FCと、DCDCコンバータCNVと、水素タンクHTと、インジェクタINJと、エアコンプレッサACPと、インバータ回路INVと、制御部CNTとを備え、外部の負荷Loに電力を供給する。 【0023】 なお、燃料電池システムFCSがフォークリフトなどの車両や電気自動車などの車両に搭載される場合、負荷Loは、走行モータを駆動するインバータ回路や電装機器などとする。 【0024】 また、燃料電池システムFCSを定置型発電機として構成してもよい。 【0025】 燃料電池FCは、互いに直列接続される複数の燃料電池セルにより構成される燃料電池スタックであり、燃料ガス(水素ガスなど)に含まれる水素と酸化剤ガス(空気など)に含まれる酸素との電気化学反応により電気を発生させる。 【0026】 DCDCコンバータCNVは、燃料電池FCから出力される電圧を所定の電圧に変換する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力は、負荷Lo、インバータ回路INVやインジェクタなどの補機、及び蓄電装置Bに供給される。 【0027】 蓄電装置Bは、キャパシタなどにより構成され、負荷Loに電力を供給する。すなわち、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力との差に相当する供給電力が、燃料電池システムFCSの外部(例えば、車両に搭載される走行制御部)から要求される要求電力より大きい場合、その供給電力のうち、要求電力分の電力が負荷Loに供給されるとともに、残りの電力が蓄電装置Bに供給される。DCDCコンバータCNVから蓄電装置Bに電力が供給されると、蓄電装置Bが充電され蓄電装置Bの充電量が増加する。また、DCDCコンバータCNVから出力される電力と、補機に供給される電力との差に相当する供給電力が、燃料電池システムFCSの外部から要求される要求電力より小さい場合、その供給電力が負荷Loに供給されるとともに、足りない分の電力が蓄電装置Bから負荷Loに供給される。蓄電装置Bから負荷Loに電力が供給されると、蓄電装置Bが放電され蓄電装置Bの充電量が減少する。なお、充電量とは、蓄電装置Bの充電率[%](蓄電装置Bの満充電容量に対する残容量の割合)、または、蓄電装置Bに電流が流れていないときの蓄電装置Bの開回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに電流が流れているときの蓄電装置Bの閉回路電圧[V]、または、蓄電装置Bに流れる電流の積算値[Ah]などとする。 【0028】 水素タンクHTは、燃料ガスの貯蔵容器である。水素タンクHTに貯蔵された燃料ガスはインジェクタINJを介して燃料電池FCに供給される。 【0029】 インジェクタINJは、燃料電池FCに供給される燃料ガスの流量を調整する。 【0030】 エアコンプレッサACPは、燃料電池システムFCSの周囲に存在する酸化剤ガスを圧縮し燃料電池FCに供給する。また、エアコンプレッサACPは、電動機Mと、位置検出部Rとを備える。なお、実施形態の電動機制御装置は、位置検出部Rと、制御部CNTとを備えて構成されるものとする。 【0031】 電動機Mは、固定子や回転子などを備えて構成されるモータであり、回転子の回転に伴う動力により酸化剤ガスを圧縮する。 【0032】 位置検出部Rは、電動機Mの回転軸の回転角に対応する、互いに位相が異なる2相の交流電圧V1、V2を出力する。例えば、レゾルバにより位置検出部Rを構成する場合、位置検出部Rの回転子に一次側コイルが設けられ、位置検出部Rの固定子に互いに90度離れた2つの二次側コイルが設けられ、一次側コイルに交流電圧を印加すると、各二次側コイルに互いに位相が90度異なる2相の交流電圧(サイン波、コサイン波)が発生し、一方の交流電圧(サイン波)を交流電圧V1とし、他方の交流電圧(コサイン波)を交流電圧V2とする。 【0033】 インバータ回路INVは、DCDCコンバータCNVから供給される電力により電動機Mを駆動させるものであって、コンデンサCと、スイッチング素子SW1~SW6(例えば、PNPバイポーラトランジスタ)とを備える。すなわち、コンデンサCの一方端子がDCDCコンバータCNVの正極端子及びスイッチング素子SW1、SW3、SW5の各コレクタ端子に接続され、コンデンサCの他方端子がDCDCコンバータCNVの負極端子及びスイッチング素子SW2、SW4、SW6の各エミッタ端子に接続されている。スイッチング素子SW1のエミッタ端子とスイッチング素子SW2のコレクタ端子との接続点は電動機MのU相の入力端子に接続されている。スイッチング素子SW3のエミッタ端子とスイッチング素子SW4のコレクタ端子との接続点は電動機MのV相の入力端子に接続されている。スイッチング素子SW5のエミッタ端子とスイッチング素子SW6のコレクタ端子との接続点は電動機MのW相の入力端子に接続されている。 【0034】 コンデンサCは、DCDCコンバータCNVから出力されインバータ回路INVへ入力される電圧を平滑する。 【0035】 スイッチング素子SW1~SW6は、制御部CNTから出力される駆動信号S1~S6に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW1~SW6がそれぞれオンまたはオフすることで、DCDCコンバータCNVから出力される直流電圧が、互いに位相が120度ずつ異なる3つの交流電圧に変換され、それら交流電圧が電動機MのU相、V相、及びW相の入力端子に印加され電動機Mの回転子が回転する。 【0036】 制御部CNTは、マイクロコンピュータなどにより構成され、蓄電装置Bの充電量に応じて目標発電電力を段階的に変化させる。 【0037】 また、制御部CNTは、燃料電池FCから出力される電力が目標発電電力に追従するように、電動機M(インバータ回路INV)やインジェクタINJの動作を制御する。 【0038】 また、制御部CNTは、電動機Mの動作制御時、制御周期毎に、原点位置(ゼロ度)を基準として電動機Mの回転軸の回転角を算出し、その算出した回転角を用いて駆動信号S1~S6を算出する。例えば、制御部CNTは、実験やシミュレーションなどで予め求められる交流電圧V1、V2と回転角との対応関係を示す情報を参照して、後述するオフセット済みの交流電圧V1´、V2´に対応する回転角を、回転軸の回転角として算出する。 【0039】 また、制御部CNTは、所定タイミングになると、原点位置の補正(キャリブレーション)を行う。 【0040】 図2は、原点位置補正時の制御部CNTの動作の一例を示すフローチャートである。 【0041】 まず、ステップS11において、制御部CNTは、オフセット値算出処理として、位置検出部Rから出力される交流電圧V1、V2のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、補正前の原点位置θから所定回転角までの交流電圧V1に基づいて交流電圧V1の振幅のオフセット値Vo1を算出するとともに、補正前の原点位置から所定回転角までの交流電圧V2に基づいて交流電圧V2の振幅のオフセット値Vo2を算出する。 【0042】 例えば、図3(a)に示すように、補正前の原点位置(ゼロ度)から360度までの交流電圧V1の振幅が所定の中央値よりもプラス側にオフセット値Vo1分シフトしている場合で、かつ、補正前の原点位置θ(ゼロ度)から360度までの交流電圧V2の振幅が所定の中央値よりもマイナス側にオフセット値Vo2分シフトしている場合を想定する。なお、上記所定の中央値は、実験やシミュレーションなどで予め求められる交流電圧V1、V2の振幅の中央値とする。 【0043】 この場合、制御部CNTは、原点位置θ(ゼロ度)から360度までの交流電圧V1において、制御周期毎に、交流電圧V1の振幅を算出し、それら算出した全ての振幅の合計値を振幅の算出回数(制御回数)で除算した値から所定の中央値を減算した値を交流電圧V1に対応するオフセット値Vo1とする。また、同様に、制御部CNTは、原点位置(ゼロ度)から360度までの交流電圧V2において、制御周期毎に、交流電圧V2の振幅を算出し、それら算出した全ての振幅の合計値を振幅の算出回数(制御回数)で除算した値から所定の中央値を減算した値を交流電圧V2に対応するオフセット値Vo2とする。なお、位置検出部Rから出力される交流電圧V1の中央値が所定の中央値からずれていない場合、オフセット値Vo1はゼロになる。また、位置検出部Rから出力される交流電圧V2の中央値が所定の中央値からずれていない場合、オフセット値Vo2はゼロになる。また、オフセット値Vo1、Vo2のそれぞれの変動幅が所定範囲内になるまでオフセット値Vo1、Vo2をそれぞれ複数回算出し、複数回算出したオフセット値Vo1、Vo2の平均値を、ステップS11において算出されるオフセット値Vo1、Vo2としてもよい。 【0044】 次に、図2のステップS12において、制御部CNTは、原点位置補正処理として、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときにステップS11で算出したオフセット値Vo1、Vo2により振幅がオフセットされた交流電圧V1´、V2´により算出される回転角を、補正後の原点位置θ´(ゼロ度)とする。例えば、制御部CNTは、スイッチング素子SW1、SW4、SW6をオンさせるとともにスイッチング素子SW2、SW3、SW5をオフさせる駆動信号S1~S6を出力することで回転軸を所定位置で固定させているとき、図3(b)に示すように、オフセット値Vo1、Vo2により振幅がオフセットされた交流電圧V1´、V2´に対応する回転角を、補正後の原点位置θ´(ゼロ度)とする。なお、交流電圧V1からオフセット値Vo1を減算した値を交流電圧V1´とし、交流電圧V2からオフセット値Vo2を減算した値を交流電圧V2´とする。 【0045】 これにより、位置検出部Rに設けられる複数のコイルの特性のばらつきなどにより、位置検出部Rから出力される交流電圧V1、V2のうちの少なくとも一方の交流電圧の振幅の中央値が、実験やシミュレーションなどにより予め求められている交流電圧の振幅の中央値と異なっていても、オフセット値Vo1、Vo2により交流電圧V1、V2をオフセットすることで、位置検出部Rから出力される交流電圧V1、V2のそれぞれの振幅の中央値を、予め求められている交流電圧の振幅の中央値と一致させることができる。そのため、オフセット済みの交流電圧V1´、V2´を、予め求められている交流電圧V1、V2に近づけることができるため、予め求められている交流電圧V1、V2と回転角との対応関係を示す情報を参照して交流電圧V1´、V2´に対応する回転角(ゼロ度~360度)を算出する場合、その回転角の算出精度を向上させることができる。 【0046】 このように、図2に示す動作を行う制御部CNTは、原点位置の補正時、交流電圧V1、V2のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、原点位置から所定回転角までの交流電圧V1、V2に基づいてオフセット値Vo1、Vo2を求めた後、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときにオフセット値Vo1、Vo2により振幅がオフセットされた交流電圧V1´、V2´により算出される回転角を、補正後の原点位置としている。すなわち、図2に示す動作を行う制御部CNTでは、原点位置を補正する前において、オフセット値Vo1、Vo2を算出しておき、その算出したオフセット値Vo1、Vo2により振幅をオフセットした交流電圧V1´、V2´を用いて原点位置を補正している。 【0047】 これにより、オフセット済みの交流電圧V1´、V2´を用いて算出される原点位置を、電動機Mの動作制御時において回転角を算出するために参照される情報の原点位置に近づけることができるため、振幅をオフセットしていない交流電圧V1、V2を用いて原点位置を補正する場合に比べて、原点位置の補正精度を向上させることができる。そのため、回転軸の回転角の算出精度低下を抑制することができ、電動機Mの効率が低下したり電動機Mの動作が不安定になったりすることを抑制することができる。 【0048】 図4は、原点位置の補正時の制御部CNTの動作の他の例を示すフローチャートである。 【0049】 まず、ステップS21において、制御部CNTは、1回目の原点位置補正処理として、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときに交流電圧V1、V2に対応する回転角を仮原点位置(ゼロ度)とする。 【0050】 例えば、制御部CNTは、スイッチング素子SW1、SW4、SW6をオンさせるとともにスイッチング素子SW2、SW3、SW5をオフさせる駆動信号S1~S6を出力することで回転軸を所定位置で固定させているとき、位置検出部Rから出力される交流電圧V1、V2に対応する回転角を仮原点位置とする。 【0051】 次に、ステップS22において、制御部CNTは、オフセット値算出処理として、位置検出部Rから出力される交流電圧V1、V2のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、ステップS21で補正した仮原点位置から所定回転角までの交流電圧V1に基づいて交流電圧V1の振幅のオフセット値Vo1を算出するとともに、ステップS21で補正した仮原点位置から所定回転角までの交流電圧V2に基づいて交流電圧V2の振幅のオフセット値Vo2を算出する。 【0052】 そして、ステップS23において、制御部CNTは、2回目の原点位置補正処理として、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときにステップS22で算出したオフセット値Vo1、Vo2により振幅がオフセットされた交流電圧V1、V2により算出される回転角を、補正後の原点位置(ゼロ度)とする。 【0053】 このように、図4に示す動作を行う制御部CNTは、原点位置の補正時、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときに交流電圧V1、V2により算出される回転角を回転軸の仮原点位置とし、交流電圧V1、V2のそれぞれの振幅の中央値が所定の中央値と一致するように、仮原点位置から所定回転角までの交流電圧V1、V2に基づいてオフセット値Vo1、Vo2を算出し、回転軸が所定位置で固定されるように電動機Mの動作を制御しているときにオフセット値Vo1、Vo2により振幅がオフセットされた交流電圧V1、V2により算出される回転角を、補正後の原点位置としている。すなわち、図4に示す動作を行う制御部CNTでは、オフセット値Vo1、Vo2を算出する前において、原点位置を補正している。 【0054】 このように、オフセット値Vo1、Vo2を算出する前において、原点位置を補正しているため、オフセット値Vo1、Vo2を精度よく算出することができ、原点位置の補正精度をさらに向上させることができる。そのため、回転軸の回転角の算出精度低下をさらに抑制することができ、電動機Mの効率が低下したり電動機Mの動作が不安定になったりすることをさらに抑制することができる。 【0055】 また、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時、燃料電池FCを発電させるために必要な各種処理を実行する。例えば、制御部CNTは、燃料電池システムFCSの起動時、図2または図4に示すように、原点位置の補正を行う。これにより、燃料電池FCの発電時より前の燃料電池システムFCSの起動時において、原点位置の補正を行うことができるため、燃料電池FCの発電時における原点位置の補正精度の低下を抑制することができる。そのため、燃料電池FCの発電時において、電動機Mの効率が低下したり電動機Mの動作が不安定になったりすることを抑制することができる。 【0056】 図5は、燃料電池システムFCS起動時の制御部CNTの動作の一例を示すフローチャートである。 【0057】 まず、ステップS31において、制御部CNTは、燃料電池システムFCSを起動するか否かを判断する。例えば、制御部CNTは、車両のイグニッションキーがオンになった旨を車両側の走行制御部から受信すると、または、発電制御モードからスリープモードに移行してから所定時間が経過すると、燃料電池システムFCSを起動すると判断する。 【0058】 次に、制御部CNTは、燃料電池システムFCSを起動すると(ステップS31:Yes)、燃料電池FC内のアノード側からカソード側にリークした燃料ガスを酸化剤ガスにより希釈するために必要な時間T1を算出する(ステップS32)。なお、前回の燃料電池FCの発電停止時から今回の燃料電池システムFCSの起動時までの発電停止時間が長くなるほど、燃料ガスを希釈するために必要な時間が長くなるものとする。例えば、制御部CNTは、不図示の記憶部に記憶されている、発電停止時間と時間T1との対応関係を示す情報を参照して、今回取得した発電停止時間に対応する時間T1を、ステップS32で算出される時間T1とする。また、ステップS32とステップS33を入れ替えてもよい。 【0059】 次に、制御部CNTは、原点位置の補正に必要な時間T2を取得する(ステップS33)。例えば、制御部CNTは、不図示の記憶部に記憶されている、実験やシミュレーションなどにより予め求められている時間T2を、ステップS33で取得される時間T2とする。 【0060】 次に、制御部CNTは、時間T1が時間T2より短い場合(ステップS34:Yes)、時間T2において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを同時に行う(ステップS35)。 【0061】 一方、制御部CNTは、時間T1が時間T2より長い場合(ステップS34:No)、時間T1において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを同時に行う(ステップS36)。 【0062】 このように、実施形態の燃料電池システムFCSでは、燃料電池システムFCSの起動時、燃料ガスを希釈するために必要な時間T1が、原点位置の補正に必要な時間T2より短い場合、原点位置の補正に必要な時間T2において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正を同時に行い、燃料ガスを希釈するために必要な時間T1が、原点位置の補正に必要な時間T2より長い場合、燃料ガスを希釈するために必要な時間T1において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正を同時に行う。 【0063】 これにより、燃料電池システムFCSの起動時において、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを同時に行うことができるため、燃料ガスの希釈と原点位置の補正とを順番に行う場合に比べて、燃料電池システムFCSの起動にかかる時間を短縮することができる。 【0064】 なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。 【0065】 <変形例> 上記実施形態では、燃料電池FCの発電制御と、電動機M(インバータ回路INV)の動作制御とを制御部CNTにおいてまとめて行う構成であるが、燃料電池FCの発電制御と、電動機Mの動作制御とをそれぞれ別々の制御部で行うように構成してもよい。このように構成する場合、電動機Mの動作制御を行う制御部は、図2または図4に示す動作を行う。また、電動機Mの動作制御を行う制御部は、図5に示す動作を行うとともに、燃料電池システムFCSの起動要求や燃料ガスを希釈するために必要な時間T1を、燃料電池FCの発電制御を行う制御部から受信する。 【符号の説明】 【0066】 FCS 燃料電池システム CNT 制御部 INV インバータ回路 C コンデンサ SW1~SW6 スイッチング素子 FC 燃料電池 HT 水素タンク INJ インジェクタ ACP エアコンプレッサ M 電動機 R 位置検出部 CNV DCDCコンバータ B 蓄電装置 Lo 負荷
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